内容説明
豊太郎はエリート官吏としてドイツへ留学。自由な環境の中、美しいドイツ女性エリスと出会い恋に落ちる。そのため免職された豊太郎だったが幸せな日々を過ごしていた。ある日、友人の計らいで復職の機会を得た彼は帰国の決心をするが、エリスにどうしても言い出せないでいると…。他「うたかたの記」収録。
著者等紹介
森鴎外[モリオウガイ]
1862‐1922。島根県出身。本名は林太郎。幼少期に東京へ移り東大医学部を卒業後、軍医となる。ドイツへ留学帰国後執筆活動をはじめる。自己見解を曲げないことでも有名で、医学界、文学界の双方において論議を巻き起こす。「高瀬舟」「山椒大夫」などから、堪能な語学を生かしての翻訳作品と著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えり
30
受験の為教科書を再読中。表紙が岡田君だったのでここに笑 うたかたの記も読了。どちらも一度読んだだけでは噛み砕けない難しさ。教科書の注釈や説明あってようやくという感じ。豊太郎はパーフェクトなエリート。それは長所だけど、言えば一度も挫折を味わったことが無いということ。なので落ちる時はどんどん落ちていきそうだなと思った。子供も出来たのに無責任だ。いいえと言えないのは少し自分と似ているけど。森鴎外がドイツ留学を終えて発表された作品らしい。森鴎外もエリート。これはもしや鴎外の半生!?と思ったが、どうなんでしょうね笑2014/08/22
十六夜(いざよい)
14
表紙につられて買ってしまった後で現代語訳でない事に気付いた。難しい!なんとなく読めたが、きっと細部が良く理解しきれていない、勿体無い読み方をしているだろう。現代語訳版で再び挑戦してみたい。2014/04/18
かっち
3
(舞姫)異国で芽生えた愛を取るか、または祖国と名誉を選ぶか。決めかねる主人公に対し、道筋をつける親友。しかしそれにより激しく傷つく女性…。いつの世も、男女の愛は傷つき傷つけずには終われないものです。(うたかたの記)ドイツの美術学校に留学した青年が、以前施しを与えた美少女に運命的な再会をしたのも束の間、彼女が非業の死を遂げてしまう。当時の世相も垣間見える、切ないお話。2014/11/14
星野
1
個人的、岡田将生×近代文学週間その三。蜷川さんのこの表紙は本当に綺麗すぎてやばい。これに惚れ込んで買っちゃったくらい。大学時代森鴎外を取り扱うたび私とは合わないかも・・・と思っていたのだけど、やっぱりでした^^;文章判読に手間がかかるし内容的にもイマイチ入り込めず時間かかった。舞姫よりはうたかたかなあ。“見たまえ、我が学問の博きを。狂人にして見まほしき人の、狂人ならぬを見る、その悲しさ。おん身のみは情なくあざみ笑いたまわじとおもえば、心のゆくままに語るをとがめたまうな。ああ、こういうも狂気か。”2009/12/09
norichan
0
豊太郎はエリスを連れて日本に帰ることを考えなかったのかな。豊太郎は酷いヤツだと思いながら高校生の時に読んだのを思い出しました。