柑橘類(シトラス)の文化誌―歴史と人との関わり

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  • サイズ B6判/ページ数 393,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784903532608
  • NDC分類 625.3
  • Cコード C0040

内容説明

ミカンやレモン、オレンジ、ライム等の柑橘類は中国で初めて栽培され、長い旅を経てヨーロッパ、南北アメリカに伝わった。日本人にも食品や飲料、香料として親しまれ、品種改良が進んでいる。本書は、柑橘類が世界に広がっていった歴史を中心として、オレンジをはじめとする柑橘類の魅力をさまざまな角度から紹介している。柑橘類に含まれている成分に関する科学的な話題(ビタミンや糖類、香りや色を決める物質、果皮に含まれる精油、調理の際に見られる化学反応など)や、柑橘類が貴重だった中世の人々にとってそれはどのような意味合いを持っていたのか、冷害や干ばつへの対応、品種改良、需要の拡大、柑橘類と絵画や文学、行事との文化的な関係、などのさまざまな話題が幅広く取り上げられている。そして、そのなかに著者自身の柑橘類にかかわるエピソードや柑橘類を使ったレシピが盛りこまれている。単なる解説書とは異なり、料理好きな方も含めて柑橘類を丸ごと楽しめる内容となっている。

目次

プロローグ 先輩作家への手紙
第1部 外来種の栽培(はじめに―柑橘類の定義を含めて;ヨーロッパへの移植 ほか)
第2部 柑橘類から価値を発掘(夢のカリフォルニア;酸っぱいレモンから甘いレモネードを作ろう ほか)
第3部 象徴的な抽出(柑橘類の象徴的意味;散文における柑橘類のイメージ ほか)
エピローグ 先輩作家からの返事

著者等紹介

ラスロー,ピエール[ラスロー,ピエール][Laszlo,Pierre]
有機化学者。リエージュ大学、及びエコール・ポリテクニークの化学教授を務める

寺町朋子[テラマチトモコ]
京都大学薬学部卒業。企業で医薬品の研究開発に携わり、科学書出版社勤務を経て、現在、翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くさてる

13
あらゆる柑橘類のルーツからそれが世界に広まっていった歴史、品種改良、詩や絵画、文学作品におけるイメージに至るまで、柑橘類にまつわるあれこれを網羅した内容。丁寧で細かい解説だけに、最初は歴史書のようなとっつきにくさを感じたけれど、途中で挟み込まれる著者個人の思い出や柑橘類を使った料理やお菓子のレシピなどで楽しめました。2015/11/17

Saiid al-Halawi

6
文化史じゃなくて文化誌ってしてる通りで、レシピとか品種の話、化学組成なんかの話もたくさん出てくる。すべての柑橘類の祖先たる「シトラス」の話題に一番ぐっときた2015/07/29

きのたん

3
再読。前回はていねいな謝辞のあたりで全編こうかと力尽き、全く読めなかったが、今なら読める!と思い読んでみた。資本主義経済で大儲けのあたりはつまらなかったが、柑橘が楽園の象徴だったという点は意外で、あとまで爽快な気分と共に記憶に残る。2019/03/02

いなお

3
多くの柑橘類について書かれているが馴染み深い柑橘類だからか、レモン、オレンジ、グレープフルーツについての記述が大半を占めていた。神話に出てくる「黄金の林檎」がオレンジのことだった、というのは驚きだった。2012/09/11

三毛子

2
期待した内容から少しズレていました。(あくまでも個人的に) 第一部外来種の栽培までがわたしの読みたかった柑橘類の起源につていの話。 ヨーロッパの人の視点で書かれているので、いかにしてヨーロッパに広まったか、その利用の歴史、カリフォルニアに柑橘園を作る、といった話になる。 柑橘類を使った料理や飲み物のレシピがたくさん載っているので、それを目当てに読むのもいいと思います。2015/05/16

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