脱帝国のフェミニズムを求めて―朝鮮女性と植民地主義

脱帝国のフェミニズムを求めて―朝鮮女性と植民地主義

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  • サイズ B6判/ページ数 263p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784903426273
  • NDC分類 367.221
  • Cコード C1022

内容説明

フェミニズムとは性差別にもとづく搾取や抑圧の構造を問い、その変革を目指す思想のはずである。だが、いわゆる「第一世界」のフェミニズムは、「帝国」による植民地支配に起源する植民地主義を見落としたまま主張されてきた。植民地主義と性差別という複合的な抑圧のもとにある朝鮮女性たちが、真の人間性を求めて辿った苦闘の軌跡を描きながら、開かれたフェミニズムの可能性を問う。

目次

第1章 植民地主義とフェミニズム(個人的体験からの出発;植民地主義と性差別、あるいはフェミニズム)
第2章 朝鮮女性、近現代一〇〇年の経験(ジェンダーの視点で読みなおす金マリア;抗日戦争に参加した朴次貞のフェミニズム ほか)
第3章 マグレブ移民に呼び戻される在日朝鮮人の記憶(アイデンティティの引き裂き―故郷への思い・同化への歳月;労働力としての移民の商品価値 ほか)
終章 脱帝国フェミニズムの地平(朝鮮人女性をめぐる言説;植民地近代化が女性にもたらした意味 ほか)

著者等紹介

宋連玉[ソンヨノク]
1947年大阪生まれ。ソウル大学校人文大学大学院修士課程卒業。現在、青山学院大学経営学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もてぃ

5
日韓併合から民主化闘争まで朝鮮半島の女性たちの人生をつぶさに追いながら、植民地主義とフェミニズムの関係性を紐解く一冊。日本の右派はよく「日本の統治によって朝鮮は近代化された」などと言うが、その近代化によって恩恵を受けたのが誰なのか、また宗主国の都合の良いように捻じ曲げられ抑圧された人々がいたという視点が全く欠けている傲慢な主張だと改めて感じた。 知らない地名・組織名・歴史的事件などが多く読み終わるまでに時間がかかってしまったのだが、自国が加害した隣国の歴史についてこれほどまでに無知なことが恥ずかしい。2021/02/28

tekka

1
「日本軍兵士として死んだ祖父や父親の死の意味を立ち上げようと『戦争』まで美化しながら、『慰安婦』のつぶやきには『時代』のせいにして封じ込めるレイシズムと性差別の共犯関係。」2023/01/25

えんさん(연싼)@読書メーター

1
近代以降の帝国では、植民地支配と性差別は相互補完されながら存在する。植民地時代の朝鮮では、一部の階級にいる女性だけが解放を訴えることができた。しかし解放のために、帝国日本が求める良妻賢母になることを訴えたことは皮肉だった。彼女たちの失敗から、私たちは植民地主義や性差別に対する批判が今もできているのか。言い換えれば、国家主義に囚われないフェミニズム運動の確立の必要性。これがタイトルの問いと訴えではないだろうか。またそれを実現させるには何が必要なのかを考えていかなければならないと強く感じた。2015/09/15

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