出版社内容情報
植民地下の朝鮮で、日本が警察を通じて持ち込もうとした「近代化」は果たしてどれだけ受容されたのか?本書は朝鮮王朝末期から韓国併合、武断政治へと向かう時代の朝鮮社会を舞台に、警察と民衆との関係を政治文化史の視点から解明し、朝鮮民衆と「近代」とのせめぎ合いの姿を描き出す。新時代の植民地研究と民衆史の展開が、今ここから始まる。
序 章 朝鮮における警察支配と民衆――課題と方法
第一章 朝鮮王朝末期における「警察」体系の形成
第二章 甲午改革における警察改革
第三章 大韓帝国の警察支配
第四章 末端警察と民衆の政治文化
第五章 朝鮮植民地化過程における警察と民衆
第六章 義兵戦争と憲兵補助員制度の確立
第七章 「無頼」と「倡義」のあいだ
第八章 武断政治と憲兵補助員・巡査補
終 章 警察官のなかの「徳治」と「武断」