内容説明
国に「たかって」いるのは本当は、誰か?新自由主義・緊縮財政のもと、国民を騙し、困窮させ、分断しその一方で、臆面もなく自らの栄華を誇る人々のリアルな姿。イギリスと同じ不正義が、いま日本でも進行している。『チャヴ』著者、怒りの第2弾!!
目次
はじめに エスタブリッシュメントとは何か?
1 「先兵」の出現
2 政界と官庁の結託
3 メディアによる支配
4 警察は誰を守る?
5 国家にたかる者たち
6 租税回避の横行と大物実業家
7 金融界の高笑い
8 「主権在民」という幻想
結論 勝利をわれらに
著者等紹介
ジョーンズ,オーウェン[ジョーンズ,オーウェン] [Jones,Owen]
イギリスのシェフィールド生まれ。オックスフォード大学卒(歴史学専攻)。20代で上梓した初の著書『チャヴ』(海と月社)が世界的ベストセラーとなり、各国の政治運動に影響を与える。その3年後に『エスタブリッシュメント』を刊行。前作をしのぐ「支配層に対する鋭い追及」が拍手喝采で迎えられ、アメリカ、スペイン、フランスなど欧米各国のほか、中国・韓国でも翻訳出版される。現在は、新聞・雑誌のコラムニスト、TV・ラジオのコメンテーターとして活躍
依田卓巳[ヨダタクミ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TATA
34
正直、前作に比べると論調が冗長でキレに乏しい。社会主義的な理想のために現在の社会を一貫して否定する本作。批判先行の傾向が強く、筆者の思う理想が把握できないのが欠点。ただ、資本主義による経済成長に陰りが見えつつある状況では、格差縮小こそがサステイナブルな社会の維持要件だと考えれば筆者の理屈も当然と理解しました。結局は変容した社会主義が緩やかに出現する世の中になっていくのかなと思います。2019/10/23
Narr
15
国に「たかって」いるのは生活保護(Benefit)受給者ではなく、エスタブリッシュメントの面々なのだ。本書の内容も日本や多くの先進国と重なる部分がある。「われわれとそれ以外は別ルール」「新自由主義ではなく富裕層のための社会主義」と聞いて怒りも湧くが、著者が釘を刺すように、気を付けなければならないことがある。それはエスタブリッシュメントとは「体制」であり、ひとまとまりの「メンタリティ」であることだ。陰謀でもなければ個人の悪性によるものでもないことは頭に入れておきたい。冗長というと失礼かもしないが少し疲れた。2019/11/11
matsu
12
「チャヴ」の作者の最新刊。イギリスの現状が日本と非常に似ていて驚く。イギリスがいかにエスタブリッシュメント、つまり富裕層のための政策が実施されているか、貧困層が攻撃の対象となっているかを描いている。2019/03/23
Hiroo Shimoda
11
本書はひたすらイギリスの話だが、日本にも共通点は多く、考えさせられる。本来権力に向くべき批判が社会の下層に向かっているとの指摘など日本の話かのようだ。2019/08/29
garth
9
ほとんど日本と同じ話が延々と書いてあった。2019/05/29