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密やかな教育―“やおい・ボーイズラブ”前史

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784903127088
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0095

内容説明

竹宮惠子のマンガ、栗本薫/中島梓の小説、そして雑誌『JUNE』の創刊と次世代創作者の育成…。“やおい・ボーイズラブ”というジャンルもなかった時代にさかのぼり、新たな性愛表現の誕生と展開の歴史を描ききる。竹宮惠子氏、増山法恵氏、佐川俊彦氏へのインタヴューも収録。

目次

第1章 革命が頓挫したあとの「少女マンガ革命」
第2章 ヨーロッパ、男性身体、戦後
第3章 “文学”の場所で―栗本薫/中島梓の自己形成
第4章 「耽美」という新しい“教養”の効能―雑誌『JUNE』という場
1 竹宮惠子インタヴュー―耽美は溺れるものではなく、するもの
2 増山法恵インタヴュー―少女マンガにおける「少年愛」の仕掛け人
3 佐川俊彦インタヴュー―文学と娯楽の間を行ったり、来たり

著者等紹介

石田美紀[イシダミノリ]
1972年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。現在、新潟大学人文学部准教授。専門は映像文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はなはな

11
BLそのものを楽しむだけでなく背景を知りたいなら入り口によい本かと思います。主流の文化からサブカルが生まれ、それが主流になり、またサブカルをうむ、みたいなことを考えました。2014/08/29

あやめ

4
ジャンルの後進を育てるための栗本薫と竹宮恵子の役割と言うのはとても大きかったのだなぁ。BLは広がりすぎて目指す方向が見えないように思えるのは、そういう核がないからかもしれない。2015/01/24

ひるお

3
今やBLという略称で十分通じるボーイズラブの誕生以前に遡り、竹宮惠子による〈少年愛〉作品、栗本薫/中島梓の小説、雑誌『JUNE』といった「女性がつくり楽しむ男性同士の性愛物語」がいかに独自の文化体系を構築していったのかについて丹念に追う一冊。男性身体と政治についての言及もあり、読み応えがある。優れた研究書はひとつの世界めぐりの様相を帯びるように思っているのだが、本書も間違いなくそのうちの一つ。参考文献も多様かつ豊富で心強い。2018/05/29

natsu_san

3
当事者による語り。一次資料を辿って、JUNEの形成までを追う。栗本薫が八面六臂の大活躍。JUNEの教養書としての側面は興味深い。そしてそのJUNEが「さぶ」と同じ出版社から出ていたことも。これを読むとやはり、やおい・BLはホモフォビアなどではないと思う。BLはホモを模した何かであってホモじゃないし、読者もそれを分かってる、と思う。2008/12/28

守屋周作

2
おもしろい著書だった。後半はインタヴュー記録で、意外に著者の議論は少ないが、「教育」でまとめたというのが成功していると思う。知らなかった事実ばかりで、教わることばかりだったという印象が残っている。70年代にすでに諸葛孔明をホモセクシャルに設定した三国志物語が発表されていたことには驚いた。インタヴュー記録も、興味深い証言を掘り起こしている。やっぱり彼らは、「耽美」という言葉を使いながら、頽廃(デカダンス=生殖につながらない性愛)のことをちゃんと意識していたということがわかった。

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