内容説明
“虚宴”に酔いしれる1989‐90年、サッポロ。欲望渦巻く“夜の隘路”をススキノの強かな女たちと孤高の黒服が突っ走る!日本ミステリー史に残る“北海道発”傑作ハードボイルド!
著者等紹介
高城高[コウジョウコウ]
1935年、北海道函館市生まれ。東北大学文学部在学中の1955年、日本ハードボイルドの嚆矢とされる『宝石』懸賞入選作「X橋付近」でデビュー。大学卒業後は北海道新聞社に勤めながら執筆を続けたが、やがて沈黙。2006年『X橋付近高城高ハードボイルド傑作選』で復活(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keith
18
バブル期の札幌ススキノ。キャバレーのサブマネをしている元ボクサーが主人公。と、なれば切った張ったの物語かと思ってたんですが、ちょっと違って拍子抜けでした。2016/12/14
オオイ
4
札幌ススキノにおける様々な人間模様 最終完でした。2022/11/15
moonanddai
2
私も同じ空気(といっても作者同様居酒屋とかスナックですが)を吸っていた「ススキノ」。それこそこの小説でよく出てくる、額に親指と人差し指で丸を書いた関係の方と一緒だと、とても安心して歩いたことを思い出します。道拓、カイハツだの全部本名(?)に翻訳して読むと、より一層雰囲気が味わえます。それにしても「男」と「女」が鮮明に表れる世界で、主人公の黒頭さんは女性に優しいですね。その彼も今では60代後半に差し掛かっているはずですが、どうしているんでしょう?2016/07/17
にやり2世
1
渋さ満開の黒頭が健在で嬉しい。wbs観ててよかったと思えるくらいの経済情勢が書かれてたけど、ここでは人間と人間の関わりあっての金回り。晴れ晴れとした気持ちにはなるけど物哀しい毎度の感覚。2016/08/09
ころころむし
1
元号が変わったあの頃の札幌を、その頃の自分も容易に思い出すことはできる。しかし、歓楽街には縁のない立場にいると、すすきのではこんなことが起きていたのかと、呆然とする。押し付けられた責任は誰もとりたくない、地方にだって深い闇はあったのだ。2016/06/19