北海道の歴史がわかる本 - 石器時代から近・現代までイッキ読み！

桑原真人/川上淳

亜璃西社（2008/03発売）

• サイズ B6判／ページ数 367p／高さ 19cm
• 商品コード 9784900541757
• NDC分類 211
• Cコード C0021

出版社内容情報

知っているようで知らない、北海道の歴史が学べる累計1万部突破のロングセラー

３万年にわたる歴史が、52のトピックスでどこからでも読める、新スタイルの歴史読本

・これまで、あまり知る機会のなかった北海道の歴史を、石器時代から近・現代まで約3万年におよぶ時代の流れに沿い、52のトピックスで辿ります。
・｢北海道に現れた最初の人類は？｣｢アイヌ文化はいつから始まった？｣｢北海道にも県があった？｣「屯田兵が置かれた本当のワケは？」などなど、興味惹かれるテーマが次々に登場。
・各トピックごとに詳細な脚注がついた、どこからでも気軽に読める構成と、北海道史のスペシャリストが手掛けた信頼おける内容を両立させた、新スタイルの歴史読本の誕生です。

「はじめに」より
本書は、北海道と周辺地域の歴史に関心があるものの、何から学んでよいか迷っている人、もう一度歴史を学びなおしたい人、学校で習った歴史が暗記科目で少しもおもしろくなかったと思っている人、さらにはフィクションよりも事実の持つおもしろさに触れてみたい人、現在の北海道が置かれている状況を確認したい人など、おもに北海道の歴史に初めて触れるであろう読者を想定して執筆した。

著者プロフィール

桑原真人
　1943年、愛媛県生まれ。北海道大学大学院文学研究科修士課程修了、現・札幌大学経済学部教授。著書に『近代北海道史研究序説』（北海道大学図書刊行会、1982年）、『北海道の歴史』（共著、山川出版社、2000年）など。

川上　淳
　1954年、北海道生まれ。駒沢大学文学部歴史学科卒、立正大学大学院文学研究科史学専攻修了、現・札幌大学文化学部教授。著書に『日本の時代史19　蝦夷島と北方世界』（共著、吉川弘文館、2003年）など。

目次
〈あけぼの編〉川上 淳
[introduction]
北海道特有の時代区分は、どうして生まれたのか？

[PART.1]
黎明期～アイヌ・和人の相克(原始～中世)
２～３万年前に現れた、北海道最初の人類とは
偶然発見された国宝―。縄文時代の名品・中空土偶
続縄文文化が独自に持つ、地域色豊かな多様性
交易の重要性が高まる、擦文時代の開かれた社会
海とともに暮らした、オホーツク人の海洋文化
アイヌ人とアイヌ文化は、いつ生まれたのか？
チャシ跡が物語る、アイヌ文化成立期の様子
90余年におよんだ争乱、コシャマインの戦い
中世の山城・勝山館の都市を思わせるスケール

[PART.2]
松前藩の成立～クナシリ・メナシアイヌの戦い(近世Ⅰ)
ラッコ毛皮献上が生んだ、松前藩成立への道程
蝦夷地にわたった、最初のヨーロッパ人
コメに代わる収入源だった、商場知行制と場所請負制度
蝦夷地最大の壮絶な戦闘「シャクシャインの戦い」
ロシアへの対抗策だった、幕府による蝦夷地直轄化
アイヌVS松前藩・和人商人〝最後の戦い〟の無残な結末
戦いの結果生まれた絵画「夷酋列像」の謎

[PART.3]
ロシアとの接触～松前藩･蝦夷地の終焉(近世Ⅱ)
鎖国状態だった江戸時代、蝦夷地も鎖国していた？
ロシア使節が披露した、日本で初めてのスケート
大国の思惑に翻弄された、ロシアへの漂流民たち
｢大日本恵登呂府｣の標柱と、近藤重蔵の対ロシア政策
ゴローニン事件の陰で、尽力した高田屋嘉兵衛
幕府役人として生きた北方探検家たちの素顔
北方への危機感が生んだ幕府直営の｢蝦夷三官寺｣
松浦武四郎が蝦夷地に残した、その大きな足跡
樺太の領有権を巡り、激化した幕末の日露紛争

〈躍動編〉桑原 真人
[introduction]
北海道は無人地だった？　蝦夷地から北海道への歩み

[PART.4]
開拓使の設置～三県時代の北海道(近代Ⅰ)
箱館に設置された、司法機関とは異なる裁判所
北海道にも県があった？　道南に存在したふたつの県
｢土人｣から｢旧土人｣へ。開拓使が行ったアイヌ政策
函館･札幌を結ぶ大動脈、札幌本道をつくる
北海道に屯田兵が置かれた本当のワケとは？
開拓使による管轄から「三県一局」時代へ
刑務所から『町』が誕生。北海道と監獄の密接な関係

[PART.5]
北海道庁設置～許可移民制度の始まり(近代Ⅱ)
海派か、陸派か―。開拓方針を巡るせめぎ合い
所得税は官吏だけ？　道民に与えられた数々の恩典
番外地の世界と、開拓地における小都市の誕生
屯田兵から旅役者に―。兵村生活の実情と、ある屯田兵の話
ベストセラーで北海道を開拓。検印票に残された開拓の志
北海道集治監に収容された「赤い人」の群像
｢北海道旧土人保護法｣の制定とアイヌ民族
人類館事件とアイヌ民族。好奇の目にさらされた人々
北海道庁が札幌からなくなる!?
藤田留次郎爆弾死事件。｢タコ部屋｣の過酷な実態
軍国美談のヒーロー｢一太郎｣の北海道移住話と許可移民制度
北海道と｢羊｣の歩み。ジンギスカンが生まれるまで

[PART.6]
戦時下の北海道～未来への視座(現代)
韃靼海峡を埋め立てる!?　２代目宇三郎の北方開発論
穴に隠れて14年間の逃亡生活。中国人・劉連仁の悲劇
後ロヲ振リ向イテ視線ヲ合ハスコトハ情交ヲ許シタ証拠
北海道の戦後開拓と｢ロビンソンの末裔｣たち
江戸時代から連綿と続く、北海道独立論の系譜
｢未来記｣に描かれた50年、70年後の北海道

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[穏やか本好きなったんゆーたん]

かつて道内で発掘されたものも、調査研究が進み、また、昔とは違う見方も増えたことと思い、よみました。これを書いているのは2012です。開拓記念館で？土偶の展示もありますし、ベストな本です。さつもん文化期に関してはまだまだ資料が少ないようですが、実際発掘にたずさわった専門の先生が書いていてとても良かったです

2011/06/01

[mahiro]

土偶につられて買ってしまった。もう少し古代を多めに書いてほしかった。後縄文や擦文文化に興味があるので

2009/09/23

[わたる]

北海道の歴史を古代から現代まで網羅的に記した本。古代から中世にかけての北海道史には疎かったが、わかりやすく解説・考察されていた。ただ、近代から現代にかけて、アイヌの人々がどうなっていったのかという部分が抜けており、多少残念ではある。しかし、各トピックごとに参考文献がまとめて記載されていたので、今後気になった文献を読んでみるのに、非常に役立つ。

2017/04/15

[myung]

北海道に住んでいながら、自分含む道民は過去（特に江戸時代以前）に北海道で何があったかをあまりにも知らない。トピック形式でどこからでも読めるようになっていながら、結構詳しく載っていたりするので、おすすめ

2010/05/29

[すと]

面白かった。北海道について知りたくて題にひかれて読み始めたが、想像以上に中身が濃く、勉強になった。

2016/01/04