目次
第1部 転倒の美意識“崇高”の力学園―重昂・漱石・自然主義(風景と感性のサブライム―志賀重昂から夏目漱石まで;『破戒』の中の“崇高”―ホモソーシャル連続体の生成と勝利;“崇高”の衰微―『野菊の墓』における“性欲”の観念化と“文学”の成立;「雲」をめぐる風景文学論―『武蔵野』の水脈)
第2部 異性愛と植民地―もう一つの漱石(『行人』論―ロマンチックラブの敗退とホモソーシャリティの忌避;夏目漱石『門』の文明批評―“異性愛主義”の成立と“帝国”への再帰属;漱石の中の中国―帝国のシステムと『満韓ところどころ』;米と食卓の日本近代文学誌)
第3部 近代資本主義の末裔たち―村上春樹とその前後(文学のなかの異性愛主義―その陥穽と攻略・漱石からばなな、江國まで;村上春樹『ノルウェイの森』の“語り”が秘匿するもの―出自としての中産階級・「ハツミさん」の特権化;『パン屋再襲撃』―非在の名へ向けて;『方舟さくら丸』論―二つの“穴”、あるいはシミュラークルを超えて;二つのエクリチュール―ポスト構造主義批評の蓮實重彦的戦略;女性作家の時代へ)
著者等紹介
森本隆子[モリモトタカコ]
1962年、神戸市生まれ。奈良女子大学大学院修士課程を経て、神戸大学大学院博士課程単位取得退学。専攻は日本近代文学。静岡大学教養部専任講師、助教授を経て、同人文社会科学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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