内容説明
自らの存在の根源を見据えることから、社会を、人間を、知を、自然を生涯をかけて問い続けてきた鶴見和子が、自らの生の終着点を目前に、来るべき思想への渾身の一歩を踏み出すために本当に語るべきことを存分に語り合った、珠玉の対話集。
目次
出会い―水俣へ
息づきあう世界―短歌
言葉果つるところ―もだえ神さん
人はなぜ歌うのか―いのちのリズム
近代化への問いと内発的発展論―水俣
「川には川の心がある」―アニミズム
四角い言葉と丸い言葉
「東京に国はなかったばい」
いのちの響き
アニマ―民衆の魂
国を越えるアニミズム
〈石牟礼道子に聞く〉白い蓮華、鶴見和子
〈対談を終えて〉み後を慕いて
著者等紹介
石牟礼道子[イシムレミチコ]
1927年、熊本県天草郡生まれ。作家。谷川雁らの「サークル村」結成に参加。1969年講談社から、水俣病を世に知らしめた作品『苦海浄土』(現在講談社文庫に収録)を処女出版、第1回大宅壮一賞受賞辞退。「自主交渉」などの行動と表現で、水俣病問題に精力的に関わる。2001年度朝日賞受賞
鶴見和子[ツルミカズコ]
1918年、東京生まれ。比較社会学専攻。津田英学塾卒業後、41年ヴァッサー大学哲学修士号取得。ブリティッシュ・コロンビア大学助教授をつとめたのち、66年にプリンストン大学社会学博士号を取得。論文名Social Change and the Individual:Japan before and after Defeat in World War 2(70年、Princeton Univ.Press)。69年上智大学外国語学部教授、同大学国際関係研究所所員(69~89年。82~84年同所長)を経て、89年定年退職。上智大学名誉教授。95年に南方熊楠賞受賞。1999年度朝日賞受賞
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