内容説明
本書は、ブータン王妃アシ・ドルジ・ワンモ・ワンチュック陛下の父君、ヤプ・ウギェン・ドルジが、みずからの人生を娘に語ったものである。東ヒマラヤの奥懐に抱かれた王国ブータンの、知られざる現代史とそれを彩る人生模様が、語り手の視点で生き生きと描かれている。『虹と雲』は、一家の波乱に富んだ年代記であると同時に、ブータンの文化・社会・歴史についての格好の入門書である。
目次
黄金の重みのラマ
「意」と「口」の化身の家系が一つに
若きシャプドゥンの死
サン・チュコル・ゾンの火事
ギャンツェ、そしてカリンポンへ
シェカ・ダに引きこもる
家長で細密工芸の達人だった祖父
ペドン・ゴンパのラマ
巡礼と行商の旅
タロの剣
「宝の丘」の歌声
ついに故郷へ
ノプガンでの十年
首都に店を出す
材木商になる
「至福の宮殿」でのロイヤル・ウエディング
神の鷲の飛ぶ地
黄昏の金色のかすみの中で
著者等紹介
アシ・ドルジ・ワンモ・ワンチュック[アシドルジワンモワンチュック][Ashi Dorji Wangmo Wangchuck]
ブータン王妃。1955年、ブータン王国のプナカ県、ノプガンに生まれる。その後、インドのダージリンで学校教育を受ける。ブータンの歴史・伝説・民間伝承の研究に、とりわけ深い関心を寄せている
今枝由郎[イマエダヨシロウ]
1947年、愛知県生まれ。大谷大学史学科卒業。1981‐90年、ブータン国立図書館顧問。チベット歴史文献学専攻。パリ第七大学国家文学博士。現在、フランス国立科学研究センター(CNRS)研究ディレクター
鈴木佐知子[スズキサチコ]
1973年、愛知県生まれ。京都大学仏文科卒業。翻訳家
武田真理子[タケダマリコ]
1973年、愛知県生まれ。名古屋大学言語学科卒業。翻訳家
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