内容説明
白い砂と青い草原が、どこまでも続くホロンバイル平原。中国・内モンゴル自治区の、北のはずれのこの大草原に静かなるふたつの湖がある。その湖が、今も湖畔の砂を噛んでじわり、じわりと人知れず、満ちてきているのだ。現地調査と歴史資料に基づいた新発見のノンフィクション。
目次
1 ある老教授とタクラマカン沙漠に亡んだ町の仮説
2 初めての西域の旅と老教授の苦言
3 老教授の死と意識の伝達
4 湿原化への最初の疑問
5 ウルシュン河が湖に
6 ハルハ河三角地帯と古地図
7 草原は湿潤化しているか
8 古来よりさまざまに変わる名前
9 砂と水―湖の成立の条件
10 地図により考察
11 最近の中国の地理学会
12 人工衛星ランドサットから見た湖