感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
33
梵我一如にも浅深があって、後期ウパニシャッドになるほど祭儀色が薄れて哲学的になってゆくのが良くわかった。だが、白眉はプラトンの対話篇にも匹敵するヤージュニャヴァルキヤ聖仙の対話篇があるブリハット・ウパニシャッドであろう。女史と対話したり、王族と婆羅門が階級を超えて、あるいは夫婦で哲学論議をしていることから、当時のインドがいかに開放的だったかが窺われるのが素晴らしいからだ。後期ウパニシャッドは後の仏教の三学(戒定慧)に通ずる三重の方法をもって梵に達するべきという現代でも通用する論理が見られるのが凄かった。2019/04/17
無能なガラス屋
4
「おまえはこのたびそのように得意満面、学問を鼻にかけ、意気揚々と帰って来ましたが、こういう学問を修めてきたかね?つまり、それさえ学べば、未だ聞かないことも聞いたことになり、未だ考えないことも考えたことになり、未だ知らぬことも知ったことになる、といったような学問をだね」2024/01/05
うちこ
0
楽しみかたとして「インドの文体の歴史を楽しむ」魅力がはずせません。 佐保田先生が「総体にウパニシャッドは元の思想体系を忠実に伝えるものではなく、原形の貌がはなはだ稀薄となる迄にこれを換骨奪胎し、消化して自家の薬籠中に取り込んだものである」と書かれていますが、実際読んで振り返ってみると「このウパニシャッドの頃はこういう背景があったんじゃないのかな?」なんてことを想像するのが楽しくなってくる。 2011/05/07
ラフロ
0
収録ウパニシャッド(抜粋): チャードーキャ・ウパニシャッド、 ブリハッドアーラニヤカ・ウパニシャッド、 カーウシーターキ・ウパニシャッド、 アーイタレーヤ・ウパニシャッド、 タイッティリーヤ・ウパニシャッド 、 ケーナ・ウパニシャッド、 イーシャーヴァーシャ・ウパニシャッド、 カタ・ウパニシャッド、 シヴェターシヴァタラ・ウパニシャッド、 ムンダカ・ウパニシャッド、 プラシナ・ウパニシャッド、 マーイトラーヤナ・ウパニシャッド、 マーンドゥーキャ・ウパニシャッド2021/06/18