内容説明
わたしはフォルム・ゼロにおいて変貌を遂げ、ゼロを超え、創造へと踏み出した。―対象やイメージ、意味から解き放たれた純粋な創造行為、絵画そのものの自立性を求める「スプレマチズム絵画」を提唱、“白地の上の黒い正方形”などの作品を残した、ロシア・アヴァンギャルドを代表する画家カジミール・セヴェリーノヴィチ・マレーヴィチ。その代表的な理論的・哲学的論攷、さらに絵画以外のジャンルに触れた芸術論を、本邦初訳にて収録。
目次
キュビスム、未来主義からスプレマチズムへ―新しい絵画のリアリズム
ポエジーについて
芸術における新しいシステムについて―静止と速度
神は捨て去られてはいない―芸術・教会・工場
スプレマチズムの鏡
無対象に関する著作より
人間を重量から最大限に解放するものとしての建築
映画の諸問題における絵画の法則
著者等紹介
マレーヴィチ,カジミール・セヴェリーノヴィチ
1878-1935。ロシア・アヴァンギャルドの中心的な画家。カンディンスキイ、モンドリアンとならんで、芸術の抽象化を極限にいたるまで追求。1915年には、「黒い正方形」に代表される、幾何学的な形態による無対象絵画を発表、「スプレマチズム」を提唱した。十月革命後は、党の芸術政策の主導的な担い手として活躍し、「スプレマチズム」の立場から芸術理論の領域でも数多くの著作を残している。主な著作に、『芸術における新しいシステムについて』、『スプレマチズム―無対象の世界』などがある
宇佐見多佳子[ウサミタカコ]
1956年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。ロシア文学専攻。訳書に『ロシア・アヴァンギャルド4/コンストルクツィア』(共訳、国書刊行会、1991年)、『ロシア・アヴァンギャルド3/キノ』(共訳、国書刊行会、1994年)などがある
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竹鶴六
大ふへん者