叢書・二十世紀ロシア文化史再考
零の形態―スプレマチズム芸術論集

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  • サイズ B6判/ページ数 402p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784891764272
  • NDC分類 701
  • Cコード C0070

内容説明

わたしはフォルム・ゼロにおいて変貌を遂げ、ゼロを超え、創造へと踏み出した。―対象やイメージ、意味から解き放たれた純粋な創造行為、絵画そのものの自立性を求める「スプレマチズム絵画」を提唱、“白地の上の黒い正方形”などの作品を残した、ロシア・アヴァンギャルドを代表する画家カジミール・セヴェリーノヴィチ・マレーヴィチ。その代表的な理論的・哲学的論攷、さらに絵画以外のジャンルに触れた芸術論を、本邦初訳にて収録。

目次

キュビスム、未来主義からスプレマチズムへ―新しい絵画のリアリズム
ポエジーについて
芸術における新しいシステムについて―静止と速度
神は捨て去られてはいない―芸術・教会・工場
スプレマチズムの鏡
無対象に関する著作より
人間を重量から最大限に解放するものとしての建築
映画の諸問題における絵画の法則

著者等紹介

マレーヴィチ,カジミール・セヴェリーノヴィチ
1878-1935。ロシア・アヴァンギャルドの中心的な画家。カンディンスキイ、モンドリアンとならんで、芸術の抽象化を極限にいたるまで追求。1915年には、「黒い正方形」に代表される、幾何学的な形態による無対象絵画を発表、「スプレマチズム」を提唱した。十月革命後は、党の芸術政策の主導的な担い手として活躍し、「スプレマチズム」の立場から芸術理論の領域でも数多くの著作を残している。主な著作に、『芸術における新しいシステムについて』、『スプレマチズム―無対象の世界』などがある

宇佐見多佳子[ウサミタカコ]
1956年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。ロシア文学専攻。訳書に『ロシア・アヴァンギャルド4/コンストルクツィア』(共訳、国書刊行会、1991年)、『ロシア・アヴァンギャルド3/キノ』(共訳、国書刊行会、1994年)などがある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

竹鶴六

0
読了。兎に角難解。理解するには相当の時間が必要だと感じた。それでも言わんとしていることは何となくではあるが掴めたような気もした。レーニン主義的唯物論の誤謬が指摘されている?のも興味深く読ませてもらった。2016/10/22

大ふへん者

0
色々な思想との類似(個人的にはショウペンハウアーとハイデガー)が感じられる。「零の形態」としての「無対象」の芸術。ソビエト時代のロシアということもあり、恥ずかしながらマレーヴィチの名は本書に出会うまで知らなかった。最初は読んでも断片的にしかわからなかったけど、ネットで彼の作品を観てから読むとよくわかる。思考と芸術の一致を徹底的に極めようとすれば、つまりスプレマチズムを前にしたら、あらゆる芸術が無意味になってしまう。凄いよこれ、二重の意味で「オブスキュア」な思想。特に四章の「神は捨て去られてはいない」は必読2014/06/15

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