内容説明
大学や医療・福祉施設で活躍する臨床家たちのヴィヴィッドな研究成果!当事者や家族の悩み・体験などをどう語り合い、分かち合い、支え合っていくか。語り手と聴き手による共同制作の「物語」が自分直しと社会直しへと広がっていく可能性を追求する。
目次
1 病いの物語をめぐる語り手と聴き手の回路―物語論的転回という知の潮流の中で
2 精神障害のある人が病い・障害の体験を地域において語ることの意味
3 “多衝動性過食症”症例報告のエスノメソドロジー―心理学的解釈モードの解体と臨床社会学の可能性
4 障害のある子どもをもつ親が紡ぐ自己物語(Self‐Narrative)―知的障害児の母親の語りから
5 聴覚障害児を持つ母親のライフストーリーに関する質的研究―インタビュー法を通して
6 当事者の家族からみた「脳死・臓器移植」問題―医療人類学の射程
著者等紹介
中井孝章[ナカイタカアキ]
1958年、大阪府生まれ。現在、大阪市立大学大学院生活科学研究科教授。教育臨床学専攻。学術博士。生活科学の立場から子ども学の理論構築と、多世代交流および街づくりの実践に取り組んでいる
清水由香[シミズユカ]
現在、大阪市立大学大学院生活科学研究科助教。保健学修士。看護臨床の経験をもっているが、主に精神障害者の地域生活支援に取り組んでいる。また、薬害HIV感染被害者の当事者・家族を対象にした健康被害にともなう生活実態とその回復に関する調査研究にも関わってきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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