森林景観づくり―その考え方と実践

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森林景観づくり―その考え方と実践

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  • サイズ A4判/ページ数 269p/高さ 30cm
  • 商品コード 9784889652482
  • NDC分類 629.1
  • Cコード C0061

出版社内容情報

森林景観づくりの手法を解説した初めての本。500枚以上の写真で森林景観整備の内容がよくわかる!森林景観づくりの手法を解説した初めての本。500枚以上の写真で森林景観整備の内容がよくわかる!

発刊に寄せて 3

はじめに 5



第1章 景観 13

1 景観とは何か 13

2 景観に関する用語 14

3 人間にはどう見えているのか 16



第2章 景観整備 23

1 景観整備とは何をすることなのか 23

2 景観整備は何に基づいて行えばよいのか―景観は好みなのか― 26

3 景観の価値 26

(1)動物の生存本能とのかかわり 26

(2)行動科学とのかかわり 30

(3)人間の視知覚特性とのかかわり 40

(4)人は林縁の明るいところで休む 40

4 景観の価値に基づく森林景観整備の考え方 43



第3章 視点の選定 47

1 視点と視対象の関係を整えるとは 47

2 よい眺めとなるように視点を設ける 47

(1)よい眺めとは 47

(2)ほどよい大きさとは 47

(3)視点の選定は何が難しいのか 52

(4)視点をできるだけ多く設ける 52

3 視点選定の考え方とその事例 54



第4章 視点場の整備 57

1 眺める場所の整備 57

(1)なぜ整備が必要なのか 57

(2)整備の具体的な内容 58

2 眺める場所のまわりの空間の整備 63

(1)なぜ整備が必要なのか 63

(2)整備の具体的な内容 65

3 視点場の範囲について 68

4 眺める場所への案内・誘導 70



第5章 見通しの確保 75

1 見通しの確保とは 75

2 見通しが阻害されているとは 75

(1)見通しが阻害されている事例 76

(2)見通しが阻害されていない事例 79

(3)見通しの阻害の有無を識別する方法 81

3 見通しを確保する方法 82

(1)見る方向にものを立ち上げない 82

(2)見通しを阻害しているものを取り除く 83

4 見通しが改善された事例 85

(1)寛永寺清水観音堂における見通しの確保 85

(2)清水寺における景観整備 89



第6章 見えているものの整備 97

1 苑路のまわりを整備する 97

2 眺める場所のまわりを整備する 99

3 視点から離れたところを整備する場合の考え方 100



第7章 森林景観 103

1 森林景観とは 103

(1)図と地について 104

(2)ゲシュタルト心理学―図になりやすいもの― 105

(3)私たちは景色をどう眺めているのか 106

2 森林景観には図となるものが必要 106

(1)地形の変化が少ない眺め 106

(2)森林に山や水面が加わった眺め 108

(3)森林景観に人工物を取り込んだ眺め 108

(4)人工物の有無による眺めの違い 109

(5)森林景観に人工物を上手に取り込む 110

3 森林景観についての別な考え方 111

(1)従来の森林景観 111

(2)新しい森林景観はパンドラの箱なのか 112

(3)人工物隠蔽思想の問題点は何か 113



第8章 森林景観整備の必要性と難しさ 117

1 森林景観整備はなぜ必要なのか 117

(1)国民の森林に対するニーズ 117

(2)森林の変化―森林飽和― 118

(3)森林の保健文化機能の発揮 119

2 森林景観整備は何が難しいのか 120

(1)樹木の伐採に対する強いプレッシャーがある 120

(2)伐採に対するプレッシャーがない場合はどうなのか 124

(3)そのほかの難しくしている理由 126



第9章 山地における視点の選定 129

1 視点は見通しを確保しやすいところに設ける 129

(1)前方が急斜面のところに視点を設ける 129

(2)前方に水面があるところに視点を設ける 130

2 よい眺めとなる視点の選定 131

(1)山のほどよい大きさとは 131

(2)視点前方がコンケーブ地形だと見やすくなる 134

3 視点選定の実際の進め方 134

(1)視点をかつての眺める位置に設ける 135

(2)道路(車道、歩道)沿線に新たに設ける 135

(3)道路沿線にこだわらず、新たに視点を設ける 136

(4)見通しがよくないときの視点の探し方 136

(5)視点選定の難しさは何か 137



第10章 山地における視点場の整備 139

1 眺める場所の整備 139

(1)日塩もみじライン沿線の眺める場所 139

(2)龍王峡 白岩の休憩所 143

(3)できるだけ柵を設置しない 144

(4)そのほかの眺める場所の整備事例 147

2 眺める場所のまわりの空間の整備 148

(1)富士見展望台まわりの空間の整備 149

(2)額取橋近くの展望台まわりの整備 153

(3)展望台を高くするよりも展望台のまわりを整備する 155

3 眺める場所への案内誘導 157



第11章 山地における見通しの確保 163

1 基本的な考え方 163

2 山地と平地における見通しの確保の違い 163

(1)山地では整備する範囲が小さくなる 164

(2)山地では遠くにあるものが見通しを阻害することはない 164

3 眺望伐採は何が難しいのか 165

4 眺望伐採の難易度別の事例 165

(1)見通しを阻害している樹木が明確な場合(Aタイプ) 166

(2)見たいものが近くにある場合(Bタイプ) 168

(3)視点前方が急斜面の場合(Cタイプ) 171

(4)視点前方が緩斜面の場合(Dタイプ) 174

(5)見たいものがかなり見えている場合(Eタイプ) 178

5 眺望伐採における留意点 182



第12章 眺望伐採におけるデザイン上の工夫 185

1 奥行感の強調―視点近くに樹木を残すー 185

2 そのほかのデザイン上の工夫 187

(1)フレーム効果 187

(2)スリット効果 193

(3)見切り 195



第13章 山地における見えているものの整備 203

1 視点のまわりを優先して整備する 203

2 対象場の樹林を整備するときの考え方 204



第14章 森林景観整備事業の実施事例 207

1 奥日光 西ノ湖西岸における整備 207

(1)事業の概要 207

(2)ヤチダモの枯損とその原因 207

(3)ヤチダモ林の保護対策 211

(4)ハイカー利用の分散による被害の軽減化 212

(5)ヤチダモ林保護対策の効果 217

2 二つの大ダムが同時眺望できる場所の整備 218

(1)事業実施の背景 218

(2)事業の内容 219



第15章 シークエンス景観に配慮した整備 225

1 シークエンス景観 225

(1)シークエンス景観とは 225

(2)シークエンス景観の特徴 225

(3)日本庭園における眺めの変化 226

2 道路沿線における景観整備 228

(1)山地における眺めの変化 228

(2)歩道沿線における整備事例 228

(3)車道沿線における整備事例 231

3 シークエンス景観の変化の作り方 234

4 視点となる歩道の整備 238

(1)歩道の新設 238

(2)歩道の改修 241

(3)歩道の安全対策 242

(4)場違いなものをつくらない 245

5 車道からの見通しの確保 246



第16章 森林景観整備事業の合意形成 249

1 事業の合意形成 249

(1)合意形成はなぜ必要なのか 249

(2)合意形成を行わない場合の問題点は何か 250

(3)なぜ合意形成を行わないのか 251

(4)何を合意形成するのか 251

2 合意形成のための様々な手法―合意形成のためには何を行えばよいのか― 251

(1)検討委員会の設置 251

(2)現地検討会の実施 252

(3)マスコミを通じた情報提供 253

3 マスコミを通じた情報提供の実施事例 254



第17章 森林景観整備後の維持管理 259

1 景観整備後の視点場等の状況 259

2 景観整備後の維持管理がうまくいかないのはなぜか 261

(1)視点場が一体的に管理されていない 261

(2)維持管理のやり方が明確にされていない 263

3 維持管理をうまく行うための方策 264

(1)協議会等を結成し、共同管理する 264

(2)維持管理の内容を明確にする 264



おわりに 267

参考文献・引用文献 268

由田 幸雄[ヨシダ ユキオ]
技術士 森林部門

堀 繁[ホリ シゲル]
東京大学教授

目次

景観
景観整備
視点の選定
視点場の整備
見通しの確保
見えているものの整備
森林景観
森林景観整備の必要性と難しさ
山地における視点の選定
山地における視点場の整備
山地における見通しの確保
眺望伐採におけるデザイン上の工夫
山地における見えているものの整備
森林景観整備事業の実施事例
シークエンス景観に配慮した整備
森林景観整備事業の合意形成
森林景観整備後の維持管理