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内容説明
本書は人造美女/独身者の機械というきわめて今日的なテーマに対し、「声」の表象に光を当てた先駆的研究である。精神分析とフェミニズムの議論をふまえながら、プルーストやルソーをはじめ、ジョルジュ・サンド、バルザック、ネルヴァル、ボードレール、ホフマン、そしてヴィリエ・ド・リラダンらの作品を通して、歌声と女性とテクノロジーの関係を鮮やかな手さばきで検証していく。聴く者を虜にする、この世のものと思われない精妙な歌声の表象がもたらすものは何か。そこには近代を特徴づける「崇高」の美学的体験が息づいている。
目次
第1章 母なる声への郷愁
第2章 エコーの忘れ得ぬ歌
第3章 女祭司の歌
第4章 時計仕掛けの鳥―歌手と天使と曖昧な性差
第5章 ボードレールと化粧する女
第6章 エディソンの録音された天使
第7章 人ならざる者の声、崇高なる歌
著者等紹介
フランク,フェリシア・ミラー[フランク,フェリシアミラー][Frank,Felicia Miller]
1952年生まれ。ワシントン大学(セントルイス)でメロン・フェローとして教鞭をとったのち、1991‐1994年、ジョンズ・ホプキンズ大学のフランス語客員准教授を務める。声の表象の系譜をたどり女性と人工性を論じた『機械仕掛けの歌姫』で第一作目
大串尚代[オオグシヒサヨ]
1994年、慶應義塾大学文学部卒業。2000年、同大学大学院文学研究科後期博士課程修了、博士(文学)。現在、慶應義塾大学文学部准教授。専門はアメリカ文学、フェミニズム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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