内容説明
国家財政を脅かす資本・労働の国際的流動化、福祉の市場化を促す公私関係の変容―グローバル化と分権化の進展のもと、従来の「福祉国家」の理念はいま大きく動揺している。現状の的確な分析に基づき、福祉国家の理念と体制の再編をめざす、シリーズ第2弾。
目次
第1部 グローバル化・市場化と福祉国家(グローバリズムと反グローバリズムと―論点の提示;福祉国家体制の再編と市場化―日本の介護保険を事例として;グローバル化と福祉国家―EU諸国のケース;市場・脱商品化・基本所得―福祉国家論の規範的含意;グローバル化段階の福祉国家)
第2部 分権化と公私関係の変容(社会福祉改革における公私関係変容の構図―論点の提示;「日本的公私関係」の成立と内在的制約;公私関係パラダイムと福祉改革のダイナミズム;社会福祉の基礎構造と「公私関係」;基礎構造改革と分権化)
著者等紹介
小笠原浩一[オガサワラコウイチ]
埼玉大学経済学部教授。1977年、早稲田大学社会科学部卒業、早稲田大学大学院法学研究科博士(後期)課程単位取得退学を経て、1988年、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。山形大学助教授、埼玉大学助教授などをへて現職。専攻は社会政策論、福祉事業論
武川正吾[タケガワショウゴ]
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部助教授。1984年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。社会保障研究所研究員、中央大学助教授などを経て現職。専攻は社会政策、社会計画
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