明治大学人文科学研究所叢書<br> 前近代トルコの地方名士―カラオスマンオウル家の研究

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明治大学人文科学研究所叢書
前近代トルコの地方名士―カラオスマンオウル家の研究

  • 永田 雄三【著】
  • 価格 ¥7,700(本体¥7,000)
  • 刀水書房(2009/03発売)
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  • サイズ A5判/ページ数 329p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784887083776
  • NDC分類 288.3
  • Cコード C3022

出版社内容情報

『歴史学研究』No.868 2010.7 書評より                   
本書において分析の対象となるカラオスマンオウル家(以下,本書の記載に倣ってK家と略記する)とは,オスマン帝国時代の後半,17世紀末から18世紀にかけて西アナトリアで台頭し,18世紀末から19世紀初頭に最盛期を迎え,その後曲折を経ながらも今日まで名望を保っているアーヤーン(地方名士)の一族である。著者の永田雄三氏は,1970年代以来長期にわたり,現地の文書館に所蔵されたシャリーア法廷帳簿や,徴税請負帳簿,財産没収帳簿,ワクフ文書などの一次史料を用いて,K家の人々の活動・事績を,政治・経済・公共福祉などさまざまな側面から考察してきた。氏のK家研究の成果をまとめた著書は,1997年にトルコ語で出版されており,本書はそれを基礎として新史料や新論点を付け加え,全面的に改稿したものであるという。 本書は,K家を扱った事例研究ではあるが,著者の問題関心はむろん,この一事例の内部に止まるものではない。著者の明快な研究史整理によれば,近年のアーヤーン研究は,アーヤーンの富の源泉は徴税請負か大土地所有か,経営は商業的か自給的か,といった経済基盤論的な議論の枠組を脱して,帝国の中央と地方との関係を新たな視点から捉えなおそうとするオスマン帝国史研究の一環として展開されているという。ただ著者は,オスマン帝国の支配構造の独自のかたちを巨視的に解明しようとするこうした新動向に賛意を表しつつも,同時に,地域による社会経済的条件の相違を指摘し,地域に根ざした具体的なイメージを喚起できるような実証研究を基礎としてこの大問題に接近することの必要性を強調するのである。 さらに著者の問題関心は,オスマン帝国研究の範囲に止まることなく,「比較ジェントリー論」すなわち,一国史的な視野を超えて世界史的な共時性のなかで,アーヤーンをイギリスのジェントリー,中国の郷紳,日本の豪農などと比較しようとする視点へと展開する。このような関心はすでに,1980年代の著者の論考(「歴史のなかのアーヤーン」『社会史研究』7,1986年)でも披瀝されていたが,本書ではより明確に,「比較ジェントリ―論」に向けての提言がなされている。オスマン帝国史には門外漢の中国史専門の評者が書評を依頼されたのも,この提言に関わってのことであると思われるので,トルコ史に関する専門的な問題については適任者が別に書評されることを期待するとして,本書評ではもっぱら同時代的比較の可能性について未熟ながら私見を述べさせていただくこととしたい。(以下略) (評者:岸本美緒)

目次

第1章 “場”の構造
第2章 カラオスマンオウル家小史(中央権力と地方名家)
第3章 地方名士の富と権力の基盤1・徴税請負
第4章 地方名士の富と権力の基盤2・チフトリキ経営
第5章 カラオスマンオウル家のワクフ活動―富の地域への還元
第6章 一族と郎党(ハウスホールド)
終章 「アーヤーン時代」の終焉
おわりに―「比較ジェントリー論」に向けて

著者等紹介

永田雄三[ナガタユウゾウ]
1939年東京に生まれる。千葉大学文理学部卒業、慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了、イスタンブル大学大学院文学研究科博士課程修了(Ph.D.)。オスマン帝国史専攻。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授を経て、明治大学文学部教授、財団法人東洋文庫研究員(1970年~)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Cebecibaşı

0
前近代におけるマニサ地方のアーヤーンに注目した研究。日本語でこのような研究が読めるということに最も大きな意義があるが、内容も非常に濃く、オスマン帝国における社会史研究だけでなく他の地域の社会史研究を行う上でも永田氏の史料の利用法や分析手法は大きな参考となるだろう。また、チフトリキやワクフなどオスマン帝国社会の根幹となるシステムを理解するためにも非常に優れた一冊と言える。決して簡単な本とは言えないものの、社会史研究をこころざす人たちには是非読んでほしい。2017/01/21

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