出版社内容情報
『宗教研究』362号83巻第三輯「書評と紹介」(2009年12月) (評者:松村一男)
本書は日本で数少ないゾロアスター教の専門家である著者が書き下ろした,ゾロアスター教の起源から現代までの通史である。・・・略・・・三○○○年以上に亙る歴史とイラン高原から中央アジア,インドまでの広大な地域について,教祖,教義,教団,経典,祭儀,歴史,他宗教との関係などすべての要素について最新の研究成果を摂取しつつバランスのとれた一般読者向けに平易な記述を行ったことは大いに賞賛に値する。おそらく現在の日本にこれをなしうるのは著者しかいないし,世界中でも果たして他に何人いるかというレヴェルだろう。・・・以下略・・・
内容説明
日本語で書かれた初めての通史。謎の多い古代アーリア人の宗教から、超大国サーサーン朝の国教としての全盛期、ムスリム支配後のインドでの大財閥としての復活~現代の信仰のようすまでを圧縮して一気に読ませる。世界の諸宗教への影響、ペルシア語文献の解読、ソグド~中国の最新研究成果に注目。
目次
プロローグ 原始アーリア民族の移動
第1章 教祖ザラスシュトラの啓示から原始教団の発展(前12~前4世紀)
第2章 第一次暗黒時代(前4~後3世紀)―ヘレニズム時代からアルシャク朝時代まで
第3章 サーサーン朝ペルシア帝国での国家宗教としての発展(3~10世紀)
第4章 第二次暗黒時代(11~16世紀)―ムスリム支配下での改宗と脱出
第5章 インドでの大財閥としての発展(16世紀~現代)
エピローグ 現代のゾロアスター教徒とゾロアスター教研究
著者等紹介
青木健[アオキタケシ]
1972年生まれ。1996年東京大学文学部イスラム学科卒業。2003年東京大学大学院人文社会系研究博士課程修了。博士(文学)。専攻はゾロアスター教、古代ペルシア、イラン・イスラーム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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