内容説明
台湾経済のめざましい発展は、蒋介石の後継者蒋経国の手腕に負うところが大きい。本書は蒋経国の伝記を史実に則して客観的にとらえ、中国現代史の実像にせまろうとするものである。蒋経国の一生は、まさに中国現代史の主要部分を体現している。青年時代、ソ連に留学して、マルクス・レーニン主義にとらえられて帰国して彼の、その後の歴史的展開の中での動きは、「天安門事件」を理解するうえでの一つの重要なカギを提示するものといえよう。
目次
1 渓口、幼年時代
2 上海、北京、そして広州
3 モスクワの孫逸仙大学
4 ニコラ同志
5 ロシアの民衆と共に
6 さようなら、モスクワ
7 公正の人―蒋青天
8 偉大なる西北地区
9 「政治大学」をめぐるCC派との対立
10 外公特派員として(対ソ交渉)
11 戡建大隊
12 8・19物価防衛線
13 敗北の日々(南京、渓口、上海)
14 激動と敗退
15 台湾―新しき出発
16 総政治部主任として
17 呉国槇事件
18 中共軍の攻勢(一江島、大陳島防衛戦)
19 孫立人反乱事件
20 5・24事件と民衆の暴動
21 雷震事件と言論弾圧
22 実力者への道
23 蒋経国時代
24 総統就任
25 後日譚