内容説明
近代美術をいかに収集し展示するべきか明確な規範のない時代に美術史家としての素養と類まれな「目」をもって、ニューヨーク近代美術館を世界に冠たるものへと導いたバー。広く知られるその功績をよそに、これまでほとんど論じられてこなかった彼自身の言動をアメリカ近代美術史の中に据え、ミュージオロジーの視点から考察する。
目次
序章 アメリカ近代美術前史(アメリカ近代美術の黎明―一九世紀後半の諸相;アメリカ近代美術の幕開け―スティーグリッツの「二九一」と「ジ・エイト」展;ヨーロッパ前衛美術の衝撃―アーモリー・ショウ)
第1章 バーの思想形成とニューヨーク近代美術館の設立(ニューヨーク近代美術館設立までの動き;二〇世紀初頭のアメリカ美術史学とバーの思想形成;バーのニューヨーク近代美術館構想)
第2章 バーと近代美術(近代美術館の主要展覧会クロノロジー;バーと抽象美術―「キュービズムと抽象美術」展(一九三六年)
「キュービズムと抽象美術」展と「幻想美術、ダダ、シュールレアリズム」展後のアメリカ美術
バーと抽象表現主義)
第3章 バーとニューヨーク近代美術館コレクションの形成(バーの夢―近代美術のパブリック・コレクション;コレクション活動の体系―コレクション・カタログ(一九四二年、一九四八年、一九五八年、一九七七年)から ほか)
著者等紹介
大坪健二[オオツボケンジ]
1949年長崎県生まれ。1972年京都大学文学部哲学科美学美術史専攻卒業。同大学院文学研究科修士課程中退。1979年富山県立美術館建設準備室学芸員、1980年富山県立近代美術館学芸員、以後、主任学芸員、学芸課長、副館長兼学芸課長事務取扱、上席専門員を経て、2011年3月退職。この間2007年博士(文学)(大阪大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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