内容説明
日露戦争~第1次世界大戦“戦時下”へ。「故郷」を喪失した“知識人”たちの大漂流時代が始まる。幸徳秋水・管野須賀子たちの死を越えて、大逆事件を生き延びた大杉栄・荒畑寒村・安成貞雄たち…。アナキストと、島村抱月・相馬御風・馬場孤蝶・武者小路実篤・岩野泡鳴・永井荷風・島崎藤村ら…大正文壇との交流と葛藤の物語。大正デモクラシー、不在の“民衆”、文化ナショナリズムの氾濫―民主主義のアポリア、現代的課題の根源をさぐる。
目次
序説 近代思想社の“思想圏”―民衆芸術の方へ
文化的空間としての“自然”―島村抱月の自然主義論を中心として
ローカル・カラー、生命、公衆―「生の芸術」論争と石井柏亭
大杉栄の批評の実践性について
漂泊する知識人の自画像―安成貞雄と実業の時代
他郷の戦争、不可視の戦場
仏蘭西学会の設立と伝統主義論争―エミール・エックと太宰施門の第一次世界大戦
告白と故国の言説空間―島崎藤村における「伝統主義的精神」
逆徒の「名」―管野須賀子という喩法
著者等紹介
村田裕和[ムラタヒロカズ]
1975年、京都市生まれ。立命館大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期課程修了。専攻は日本近代文学、比較文学。博士(文学)。現在、立命館大学文学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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