内容説明
多くの読者にとってヘミングウェイは老いた作家としてイメージされてきた。しかしそのパブリックイメージと、作家の実年齢との間には、見逃せない乖離がある。これまでのヘミングウェイ研究が十分に検討の対象とせず、それゆえにいわば支配的パラダイムともなった「老人ヘミングウェイ」神話を、本書は批判的に再検討する。ヘミングウェイの「老い」に正当な関心を払うことで見えてくるのは、従来とは異なる新たなヘミングウェイ像である。
目次
第1部 ヘミングウェイと伝記
第2部 若きヘミングウェイの描く老人
第3部 ヘミングウェイとその他の作家の老人表象
第4部 詩から読むヘミングウェイの老い
第5部 『河を渡って木立の中へ』再評価
第6部 『老人と海』再評価
著者等紹介
高野泰志[タカノヤスシ]
九州大学大学院人文科学研究院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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