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内容説明
思想全体を揺るがせる“トラウマ”の衝撃。経験、記憶、歴史などの基本概念に変革を迫る各界第一線の14名からの多面的探究。
目次
第1部 トラウマと経験(トラウマと経験―第1部への序文;教育と危機、もしくは教えることの波乱;真実と証言―その過程と苦悩;トラウマと加齢―三十年の追跡調査 ほか)
第2部 過去の入手不可能性と可能性(過去の入手不可能性と可能性―第2部への序文;侵入する過去―記憶の柔軟性とトラウマの刻印;トラウマと共同体に関する覚書;理解することの猥褻さ―クロード・ランズマンとの夕べ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごじ
4
時間的な空隙を経て、常に遅れてわれわれに訪れるトラウマ――。この出来事を私たちは《差延》という概念に頼ることなく理解することはできないのだろうか?できるとすれば、それはおそらく恢復過程において生命の野性が頭を擡げるときだと思う(デリディアン達からすれば、その過程も《差延》なのだが…。溜息。)。それは希望にも似た私の夢でもある。2015/06/01
ひつまぶし
1
ハーマンの著作と同じく『「語りえぬもの」からの問いかけ』の第3講で紹介されていた。精神医学の専門雑誌に、トラウマをテーマに2号にわたって組まれた特集の再録らしく、なぜこれが採録されているのかよく分からない難解な論稿も含まれている。トラウマ研究がジャンルとしてのまとまりを得てきたのが、この特集が組まれた1991年頃だったのだろうか。トラウマという分析視角は、人びとの行動パターンを理解するだけでなく、社会現象を読み解く際にも欠かすことができない。しかし、個人と社会を切り分けつつ、同時に扱うことがやはり難しい。2022/09/23