内容説明
現代思想に屹立するヨーロッパ哲学の到達点。遂に刊行。弁証法を「同一性」の呪縛より解放し、仮借なき理性批判をとおして哲学の限界を超える最もラディカルに現代社会と切り結ぶ「批判理論」待望の主著。
目次
第1部 存在論との関係(存在論への欲求;存在と実存)
第2部 否定弁証法 概念とカテゴリー
第3部 いくつかのモデル(自由―実践理性批判へのメタ批判;世界精神と自然史―ヘーゲルへの補説;形而上学についての省察)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
home alone
1
存在論・ヘーゲル・カントの批判が主。否定弁証法はあんま解説されてない。適用方法とかその辺が。2012/09/16
ちゃん
1
十一日つながりで読み直し。考え続けることに勇気と根気を与えてくれる本です。繊細さからくるまわりくどさ。批判ばっかりで何にも言っていない、とよく批判されるようですが、膨大な文字を使いながら何も言わない、とはものすごく慎重に進められた仕事です。悲痛な顔で、非同一なものをできるだけ見逃さまいとするセンシティブなところと、それでも沈黙に対抗しようとする最低限のポジティブさ。僕には寄り添うことしかできない、と静かに終わりなく鳴らされる、それは音楽のように。2011/04/03