内容説明
本書は、Thomas Hobbesの著作Elementa Philosophiae(またはElementa Philosophica)の第三部(sectio tertia)であるDe Cive(一六四二年初刊)の全訳である。
目次
自由(市民社会のない人間の状態について;契約に関する自然の法について;その他の自然の法について ほか)
命令権(国家の原因および起源について;国家において最高権力を持つ会議体ないし一人の人物の権利について;国家の三つの種類、民主制・貴族制・君主制について ほか)
宗教(自然をつうじての神の王政統治について;旧い契約による神の王政統治について;新しい契約による神の王政統治について ほか)
著者等紹介
本田裕志[ホンダヒロシ]
龍谷大学文学部教授。1956年東京都に生まれる。1987年京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。2007年より、龍谷大学文学部助教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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有沢翔治@文芸同人誌配布中
2
国家と市民の関係はどうあるべきなんでしょ? 法律と市民との関係は? というお話。リヴァイアサンと言っていることはそんなに変わらないらしいですから、僕の読み方で行くとリヴァイアサンの予習みたいな感じ……ですかね。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/50801536.html2009/03/04
遼
0
国家の成立を自然状態(あらゆる権力が存在せず、万人に全ての権利が認められている状態)から規定することで、なぜ社会において権利が制限され、権力が必要なのかを理論的に説き起こしており、現代の国家観にも影響を与えている書物である。しかし、本書が執筆された時代の影響のせいか、君主制を積極的に肯定したり、宗教に関する記述も多く、近現代の価値観とは相容れない思想も多く見受けられる。
ただの人間
0
自然状態=万人の平等を出発点にしながらも、絶対王政を擁護する結論を導き、さらにキリスト教(聖書)との整合も図る。丁寧な論理の積み重ねで、困難なミッションをバランスよく達成しようとしていた。2018/10/28