内容説明
「意識と脳」「心と脳」を理解する鍵、「ワーキングメモリ」。その働きは、脳のどこでどのように担われているのか?あるいは、「他者理解」「言語や視覚の処理」といった、心や意識の働きの中で、どういう役割を果たしているのか?脳機能画像解析の最新技術を駆使しながらその秘密に迫る最新の研究。同時に、「処理情報の過多」「外部メモリ依存」が人の記憶の危機を招く、「情報化社会」における脳研究の緊急性も訴える。
目次
1 ワーキングメモリ研究の現在的意義(ワーキングメモリ研究の現在;ワーキングメモリと志向的意識の脳内表現―知情意との関わり)
2 視空間性ワーキングメモリ(色のワーキングメモリの脳内表現;視覚的注意の脳内表現)
3 言語性ワーキングメモリ(ワーキングメモリにおける注意のフォーカスと抑制の脳内表現;高齢者のワーキングメモリ;言語性ワーキングメモリ課題遂行時の情報処理と貯蔵容量)
4 心の理論とワーキングメモリ(自閉症のワーキングメモリ;心の理論の脳内表現―ワーキングメモリからのアプローチ)
5 TMSとワーキングメモリ(経頭蓋磁気刺激法を用いたワーキングメモリ研究;経頭蓋磁気刺激法とワーキングメモリ)
著者等紹介
苧阪直行[オサカナオユキ]
京都大学大学院文学研究科教授。1946年生まれ。1976年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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