内容説明
王政、貴族制、民主制による国制循環論や混合共和制など、近代国家制度に大きな影響をあたえたローマ史。本邦初訳。
目次
第4巻(同盟戦争;黒海方面とクレタ島 ほか)
第5巻(同盟戦争;プトレマイオスとアンティオコス ほか)
第6巻(国制論;ローマの政治制度 ほか)
第7巻(カプアがローマから離反(前二一六年)。
シュラクサエの新王ヒエロニュモスの無分別とローマへの敵対(前二一五年)。 ほか)
第8巻(序文(?)。世界全体の歴史の必要。
シュラクサエ攻防戦。双方の新兵器とアルキメデスの知略(前二一三年)。 ほか)
著者等紹介
城江良和[シロエヨシカズ]
四天王寺国際仏教大学教授。1957年兵庫県生まれ。1985年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。2007年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
5
本巻では、アイトリアと敵対するアカイア連邦側の騎兵隊長だった著者が、前巻と異なり、当事者として敵に対する辛辣な非難の語調で記述するところから始まる。が、ローマが登場するや、著者は覇権を握る鍵となる混合政体という共時的システムを国家の栄枯盛衰の変動に沿って並べ直した継時的な政体循環論を展開し始める。共和政ローマに見る王制・貴族制・民主制の混合政治は良性の体制とされ、時間を経ると腐敗して専制・寡頭制・衆愚制の悪性に変わりまた王制へと循環すると説くこの論は、隆盛を極める当時のローマの行く末も見据えるかのようだ。2022/06/10