内容説明
今年、日本の中学歴史教科書から一斉に「慰安婦」の記述が消えた…。沖縄に残された元「慰安婦」ペ・ポンギさんを追った名著『赤瓦の家』取材以来28年、一貫してこの問題を追い続けた著者による「慰安婦」問題の集大成。豊富な写真と文で、日本軍性暴力被害者たちの人間像に迫る。
目次
1 ペポンギさんとの出会い
2 宋神道さんを訪ねる
3 南京レイプ―日本軍慰安所制度の成り立ち
4 中国・山西省の大娘(ダーニャン)の証言
5 日本軍将兵の記録と証言
6 インドネシアのイブの証言
7 サイパン帰りのたま子さん
8 宋神道さんの裁判
年表・「慰安婦」問題をめぐる動き
日本で行われている日本軍性暴力被害者裁判一覧
著者等紹介
川田文子[カワタフミコ]
出版社勤務を経て文筆活動に入る。農山漁村の女性や日本軍性暴力被害者の人生を記録する一方、保育問題や住宅問題、最近は若者の心の病、特に摂食障害について取材している
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感想・レビュー
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Takao
3
2005年6月10日発行(初版)。だいぶ前に購入し、書棚に眠っていたものを一念発起、読み終えた。帯には「今年、日本の中学歴史教科書から一斉に『慰安婦』の記述が消えた…。」とある。現在の若い世代は、「慰安婦」の記述が消えた教科書で学んできた世代。だとすると、「河野談話」で表明された、歴史教育を通じて次の世代に語り継いでいくことはできるのか、できないとすればどうやって補っていくのか。2018/04/18
ばんちゃん
2
酷い。異常だと思う、けれど戦争を始めるとこれが日常になるわけだ。裁判の結果も異常なんじゃないか。でも、今の日本の空気って韓国がまた騒いでる。昔のことなんだから忘れてくれればいいのにって感じだよね。それこそ異常ななんじゃないか。2015/07/23
さゆめ!
0
慰安婦問題が世間で話題にある前に書かれた文献を読みたくて選んだ。2015/05/23
Re
0
慰安婦と一括りにされているけれど、その中には現地での拉致監禁による性被害も含まれてしまっていて問題がさらに複雑化している。2013/08/18
kentax
0
28。近年特に大きく問題が顕在化してきたように思えるが、本当に自分は何も知らないな、と思った。証拠がないってそりゃあ強姦しましたなんて公的書類に残すわけねーだろ。残ってたら残ってたでまた問題になりそうだわ。そして、事前認識より圧倒的多く被害者がいたようだ。両論あるが、自分は強姦も、虐殺も、あったと思う。それは日本人の民度がどうとかそういうことじゃなくて、戦場という場で自分と同じ形をした命をいくつとなく殺してたら誰だって狂うよ。著者の言葉を一つ選ぶとしたら、「慰安婦じゃなく、性奴隷」。2013/04/19