内容説明
芥川賞作家三人を含め、数かずの文学賞受賞者を生みつづける沖縄―。戦後27年間、米軍統治下におかれ、いまなお基地の重圧に苦しむ沖縄―。独自の歴史をもち、独自の文化を育みながら、日本から押し寄せる開発と都市化の波に洗われつづける沖縄―。その葛藤・確執のなかで、変容する沖縄の社会と、そこに生きる人びとを描いた小説や戯曲を通して―沖縄の近代文学研究・評論の第一人者が、沖縄の同時代史を読み解き、その底をつらぬいて流れる“沖縄の肝心”を浮き彫りにする。
目次
沖縄の文学「戦後五十年」の流れ
1 沖縄戦の刻印
2 「戦後」の彷徨
3 アメリカの影
4 復帰前後
5 女性と自立
6 沖縄の基層