内容説明
沖縄戦開始の日の夜、「赤十字看護婦の歌」を歌いつつ陸軍野戦病院へと出発したひめゆり学徒隊。16歳の少女は、そこで何を見、何を体験し、何を感じ、何を思ったか―。砲弾の下の3ヵ月、生と死の境界線上で書き続けた「日記」をもとに戦後50年のいま伝えるひめゆり学徒隊の真実。
目次
沖縄戦のはじまった日
“軍国少女”の日々
父の反対、母の涙を振り切って
戦場へ、夜の行進
約半数が死亡した学徒隊
陸軍病院での壕掘り
三角兵舎での卒業式
砲弾の下の決死の水汲み作業
トラックでの食糧集め
ふえつづける負傷兵〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おはなし会 芽ぶっく
9
記入漏れ。第2次世界大戦、1945年の3月から6月にかけて、沖縄はどこよりもひどい戦場でした。著者は当時沖縄県立第一高等学校の生徒、宮城喜久子さん。アメリカ軍が上陸する直前に「ひめゆり学徒」の一員として戦場へかりだされました。十六歳の少女がみた地獄を赤裸々に日記として綴ったものです…。2020/01/11
みー
7
長女の読書感想文の候補に。読書感想文の課題が「看護に関する話」とあったので、こちらをすすめてみた。長女と同じ16歳の少女が体験した戦争。長女はどう感じるのだろうか?読んだら感想を聞いてみたい。2017/08/09
二人娘の父
3
ひめゆり学徒隊の生存者の手記。私たちはいずれ、体験者がゼロになる時代を迎える。そのことを見据えた記憶の継承を真剣に考える時である。概括的にやはり、戦後五十年の節目(1995年)に多くの書籍が出発されている。生存者の記憶も鮮明でかつ詳細で、やはりそのタイミングが、ある意味最後の時期だったのだろうか。2023年では、学徒隊に参加した方の年齢は、94歳。生存者はきわめて少なく、かつ、正確な証言も難しいと言わざるを得ない…。2023/09/21
Makoto Ohnohara
2
いくつか気になる記述が見られたが、あの地上戦の悲惨さは痛いほど伝わった。戦争に対する憎しみ、同時に戦争に入った日本への憎しみも端々に感じられた。このような歴史を学校教育に取り入れるべきだと思うが、日本の教育はどうなっているのか。学校で出来ないなら私塾などで積極的に、思想をもって伝えるべきだと思う。2012/09/12
岩男いわお
1
少女の目から見た沖縄戦争。幸せな日々から一転した地獄の日々が回想で綴られている。ただ淡々と綴られているその手記は、それだけでこちらに衝撃を与えた。今まで観光のイメージが強かった沖縄の歴史を垣間見れてよかった。もっと他の書籍も読んでみたい。「無知は恐ろしいこと」そのとおりだと思う。2017/11/08