出版社内容情報
「移動する子どもたち」のことばの教育と生き方をテーマとし,日本において日本語を第二言語として学ぶJSL児童生徒を取り上げて,彼らのことばの教育と自己形成をどのように捉え,どのような教育実践を行うべきかを追究する。
本書は「移動する子どもたち」のことばの教育と生き方をテーマにしている。
「移動する子ども」とは(1)空間的に移動する子ども,(2)言語間を移動する子ども,(3)言語教育カテゴリー(第二言語教育,外国語教育,継承語教育,母語教育等)の間を移動する子どもという意味である。このような「移動する子ども」は現在,人の移動にともない世界中に急増している。本書では,主に,日本において日本語を第二言語として学ぶJSL児童生徒を取り上げて,「移動する子ども」のことばの教育と自己形成をどのように捉え,どのような教育実践を行っていくべきかを追究する。
序:「移動する子どもたち」のことばの教育を考える
第1部 なぜ「ことばの力」の把握が大切か
第1章 「移動する子どもたち」のことばの教育とは何か
第2章 ことばの力の捉え方が言語教育のあり方を決定する
第3章 子どものことばの力を把握することの意味とは
第2部 「移動する子どもたち」のことばの学びをどうデザインするか
第4章 「移動する子どもたち」とどう向き合い、実践を行なうのか―主体性と動態性の年少者日本語教育学―
第5章 実践と「教材」はどう結びつくのか―移動する子どもたち」への実践的教材論の試み―
第6章 学校教育環境を捉え直す―日本語教育コーディネーターの創設―
第3部 「移動する子どもたち」のアイデンティティと「ことばの力」
第7章 「移動する子どもたち」に必要な「ことばの力」を捉え直す
第8章 「移動する子どもたち」のアイデンティティの課題をどう捉えるか
第9章 「移動する子どもたち」への支援と連携とは何か
終 章 「移動する子ども」学の創発へ向けて―日本語教育学的語りと文化人類学的語りの節合―
【著者紹介】
川上郁雄(かわかみ・いくお)
早稲田大学大学院日本語教育研究科・教授
専門:日本語教育、文化人類学
1990年大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得。博士(文学)。オーストラリア・クイーンズランド州教育省日本語教育アドバイザー、宮城教育大学助教授・教授などを経て2003年より現職。国籍や言語や生活世界などにおいて、多様な背景をもつ子どもたちの「ことばの教育」(「移動する子ども」学)について研究を行っている。文部科学省「JSLカリキュラム」開発委員、同省「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」委員。
編著書に『「移動する子どもたち」と日本語教育:日本語を母語としない子どもへのことばの教育を考える』『「移動する子どもたち」の考える力とリテラシー:主体性の年少者日本語教育学』『海の向こうの「移動する子どもたち」と日本語教育:動態性の年少者日本語教育学』(ともに明石書店)など。
目次
「移動する子どもたち」のことばの教育を考える
第1部 なぜ「ことばの力」の把握が大切か(「移動する子どもたち」のことばの教育とは何か;ことばの力の捉え方が言語教育のあり方を決定する;子どものことばの力を把握することの意味とは)
第2部 「移動する子どもたち」のことばの学びをどうデザインするか(「移動する子どもたち」とどう向き合い、実践を行うのか―主体性と動態性の年少者日本語教育学;実践と「教材」はどう結びつくのか―「移動する子どもたち」への実践的教材論の試み;学校教育環境を捉え直す―日本語教育コーディネーターの創設)
第3部 「移動する子どもたち」のアイデンティティと「ことばの力」(「移動する子どもたち」に必要な「ことばの力」を捉え直す;「移動する子どもたち」のアイデンティティの課題をどう捉えるか;「移動する子どもたち」への支援と連携とは何か)
「移動する子ども」学の創発へ向けて―日本語教育学的語りと文化人類学的語りの節合
著者等紹介
川上郁雄[カワカミイクオ]
早稲田大学大学院日本語教育研究科・教授。1990年大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得。博士(文学)。オーストラリア・クイーンズランド州教育省日本語教育アドバイザー、宮城教育大学教授などを経て、現職。専門は日本語教育、文化人類学。難民・移民研究、年少者日本語教育をフィールドに、「移動」と「ことば」を視点にした新しい「移動する子ども」学を提唱している。文部科学省「JSLカリキュラム」開発委員、同省「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」委員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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