感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
55
賢治関連の本はあれこれ読んだけれど、恋愛について記されたものは初めて。これまで宗教への傾倒や妹の死へのこだわりなどが目について、もしかしたら恋愛に興味のない人だったのかもと思っていたので、とても新鮮だった。30篇の作品に付された解説は、柔らかい文章のお蔭もあって私にはしっくりと腑に落ちた。登場する自然の事物は、賢治さんと同郷の著者には肌感覚で理解できるものなのだろう。ぜひ続巻も出してほしい。#NetGalley2023/09/14
遠い日
9
澤口たまみさん、いつも絵本で楽しませていただいております。宮沢賢治にも造詣が深いのですね。賢治の作品は、時に難解で意図するところを読み解くのが少々困難だと感じる点があります。研究的な知識を背景に置かないと理解し難い部分もあると感じます。ともあれ、人気は衰えず絵本のシリーズまである中の、澤口さんの本書は賢治の世界に入り込むアプローチとしてわかりやすい解説書となっています。読みながら、ああそうだったのか、そう取れるのかと腑に落ちること度々。賢治の恋への言及も、興味深かったです。#NetGalleyJP2021/10/18
spatz
5
短い話ばかりなので、少しずつ、読みたい時に。この本は、誰もが知っている教科書に載っていたりする作品からあまり知られていないものまで、著者独自のカテゴリわけで、みんなに知ってほしい作品を、と編まれている。 しょくぶつ/いきもの/どうぶつ/しぜん/こころ/みらい というカテゴリに分かれて30篇。 著者は岩手県盛岡市生まれ。農学部で学び専攻は応用昆虫学。宮沢賢治の生きた場所を知り、作品に含まれる自然の営みについての解釈を加え、そして作家として心情を慮ることのできる書き手であった。レビューは以下2022/05/28
kimamabito
1
時間もなく途中で返却期限がきてしまった。宮沢賢治の文章は、なぜか一行が長くなると読みにくい・・・またチャンスがあれば!2022/05/28
よし
1
著者が「賢治の書いたおはなしは、どんなに空想的に見えても、必ずどこかに事実があるのです」と書かれているように、言葉の意味や、描写や現象、賢治自身の背景などからひもとかれる事実を楽しく読みました。そして、その物語にはいくつもの意味があり、読み手も様々に受け止めることができるのが宮沢賢治作品の魅力なのだと改めて思いました。2021/10/23