感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
73
日本グラフィック・メディスン協会というものを初めて知った。マンガの力で医療を分かりやすく伝えることが目的らしい。確かに私もマンガで医療に接してきた。この本で医療マンガの原型とされる手塚治虫「きりひと賛歌」「ブラック・ジャック」から多くのものを学んだ。その前史として紹介されているちばてつや「ハチのす大将」も医者のマンガとして印象に残っている。それから現在まで医療マンガは医者を扱うだけでなく、闘病エッセイやギャグ等多様化し、ここでは100ものマンガが紹介されている。知らないマンガも多いが、読んでみたくなる。2021/11/04
パトラッシュ
63
このジャンルについてまとまった本がなかったことがおかしい。手塚先生が『きりひと讃歌』と『ブラック・ジャック』を発表して新分野を切り開いてから半世紀余、これほど多くの作品が出ていたとは。日本人の医学への関心を高めたのは『白い巨塔』などの文学よりも、間違いなくこれら医療マンガの功績だ。数えてみたところ商業誌発表分はかなり読んでいたが、ネット掲載が多いエッセイマンガはほとんど知らなかった。多民族社会での意思疎通を目的に発展したグラフィック・メディスンの紹介を兼ねた本だが、確かに両者は底流で結びついているようだ。2021/07/21
akihiko810/アカウント移行中
20
歴代の医療マンガを網羅・紹介した本。印象度B 手塚治虫「きりひと賛歌」「ブラック・ジャック」から50年の、医療・病気をテーマにした漫画を紹介。最近の漫画では、病気のエッセイマンガなど、かなり細かいところまで拾っている感じで好感をもてる。医療における、医療従事者と患者間の円滑なコミュニケーションのための「グラフィック・メディスン」協会というところが発行なので、紹介しておく2022/02/25
くさてる
15
医療マンガと一口に言っても、あまりにも広すぎるし、網羅できるようなもんじゃないでしょ、とちょっと舐めてかかって手に取ったらごめんなさい。めっちゃ網羅してました。荒唐無稽な少年漫画から少女漫画、患者によるエッセイ漫画、動物医療や介護や障害に関するマンガまで、もちろん詳しい人からすれば漏れはあるのでしょうが、幅広く紹介されています。また、医療における医療従事者と患者間の円滑なコミュニケーションのための「グラフィック・メディスン」という概念を初めて知りました。面白かったです。2021/07/07
mawaji
6
グラフィック・メディスンというジャンルがあるということは知りませんでしたが、それらしい医療マンガはしばしば手にとって読んだりしています。「きりひと讃歌」は高校生の頃だったか、隣の席のワタナベくんから勧められて読んだことがあるような気がしますが再読せねばなるまい。「人間仮免中」は読み始めてすぐしんどくなってしまって、読むのを断念してしまった数少ない本のうちのひとつ。職業柄「元気になるシカ!」も気になります。KindleUnlimited会員になろうかな。極私的には「海街ダイアリー」も医療マンガなのだ。2023/06/11