内容説明
近代化のなかで新たな価値観に順応し、あるいはそれに抗うかたちで、民俗や舞台芸術の世界で演じられ、表現されてきた日本人の姿や、体育や競技を通して、新しい日本人の身体が創造されていくありようを多角的に検討する。激動する時代のなかで伝承され、創られた「身体」とは何か。
目次
1 演じる・見せる―民俗・芸能編(暴力と破壊のフォークロア―武州世直し一揆における暴力的身体のゆくえ;女相撲と女力士の身体表象―近世と近代の共存;文字の世界で踊り続ける―一九二〇年代浅草の女王・河合澄子;沖縄の歌と踊りにみる南洋群島―『南洋浜千鳥』に表象される文化の重層性;伝統を担い現代に生きる身体―三匹獅子舞を受け継ぐということ)
2 競う・創られる―体育・スポーツ編(否定される身体/近代化される身体;テニスにみる男らしさを体現する身体―伝来初期の日本テニスの性的イメージの変容;メディアが編む“マラソン”―二〇世紀初頭の『大阪毎日新聞』から;パフォーマンスとしての集団体操―一九三〇年代における体操の国民的普及への動向;自死により守られ清算された身体―円谷幸吉の選択;大学応援団という空間とその身体)
著者等紹介
瀬戸邦弘[セトクニヒロ]
上智大学文学部保健体育研究室・早稲田大学スポーツ科学研究センター招聘研究員。スポーツ人類学(スポーツ・身体文化研究)
杉山千鶴[スギヤマチズル]
早稲田大学スポーツ科学学術院教授。近代日本洋舞史、モダンダンス技法研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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