内容説明
演技術とは、俳優が役を演じるための最適の声や身振り、表情を生み出す方法、それを組み合わせる方法、そしてそのための準備のプロセスである。本書では、歌舞伎・新劇・プロレタリア演劇などの日本近代演劇史を演技術の視点から再考察し、個々の演技術が具体的にどのような形態であったか、それがどのように変遷していったかを明らかにする。
目次
第1章 九代目市川団十郎の「肚」と「顔」
第2章 洋行と演技術―抱月・松翁・左団次
第3章 「型」は「心」の表現である―小山内薫から浅草へ
第4章 何が「心」を演じるか―小山内薫におけるスタニスラフスキーと心霊主義
第5章 舞台の演技から映画の演技へ―村田実と演技の法則
第6章 プロレタリア演劇の「電気人形」
第7章 「心」の抑圧を解き放て―千田是也『近代俳優術』を読み解く
著者等紹介
笹山敬輔[ササヤマケイスケ]
昭和54年(1979)富山県生まれ。筑波大学大学院博士課程人文社会科学研究科文芸・言語専攻修了、博士(文学)。専門は日本近代演劇(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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