出版社内容情報
住総研「あこがれの住まいと暮らし」研究会(委員長:後藤治)による、2年間の研究活動の成果を一冊にまとめる。
建築史に現れる「様式」には、その前提として、ある時代の人々が共有した「流行」の存在がある。そしてその「流行」を形成するものは、人々が個々に抱く「あこがれ」という心の機序である。では、「あこがれ」はどのように発生する(した)のか。
それぞれ異なった研究分野を背景に持つ10名の執筆者が、住まいと暮らしの諸相に題材を取り、過去・現在・未来の3つの切り口から、「あこがれ」のカタチを浮き彫りにする。
内容説明
書院造も、茶室も、LDKも、すべては「あこがれ」から始まった。―住形式の転換期に欠かせない「あこがれ」作用へのロジカル・アプローチ。
目次
「あこがれ」の背景の考察と可視化―本書の構成
第1部 歴史のなかの「あこがれ」の住まいと暮らし―その形成と変貌(平等へのあこがれと和室の誕生;侘数寄の茶室は「あこがれ」から始まった;インド・ムンバイにおけるアールデコ様式住居へのあこがれ)
第2部 現代日本の住まいと暮らし―「あこがれ」のカタチ(都市の住まいと暮らしから(あこがれ)を考える
日本とデンマークの比較でみる「幸福な住まい」のつくりかた
外国人から見た「和」の住まい)
第3部 これからの住まいと暮らし―あこがれから流行への種と形を探る(あこがれの対象としての環境配慮型住宅;住人の住居史・抄;高次元に拡張する「くらし」)