内容説明
1946‐1952、もうひとつの日本があった。太平洋戦争終結後、国境の島となったトカラ列島(鹿児島県十島村)で、活路を見出そうとしていた島民・移住民らの世話役として生き抜いた帰還兵の真実の声。多様な開拓作業、物資調達のための密航船まで仕立てて生きねばならなかった知られざる戦後史!!
目次
序 「ミッコウ」時代の幕開け
1 復員、そして占領下の与論島へ(アメリカから呼出しがきた;サッカリン様々の石炭景気;中之島までは平気で来れた)
2 密貿易で生きる(北緯三十度線上のヤマトムラ(大和村)
マンガのようなミッコウ(密貿易)
ジェットエンジンもズロースも密輸品のうち
かみさんが逮捕一号
岩下姓しか居らんのじゃから…)
3 開拓行政(軍令に活かされた笹森儀助案;開拓農協以前;復帰直後;日之出合衆国)
著者等紹介
稲垣尚友[イナガキナオトモ]
1942年生まれ。トカラ諸島(臥蛇島、平島)での暮らしをへて、現在、竹細工職人
半田正夫[ハンダマサオ]
1922年、福岡県大牟田生まれ。鹿児島県与論島で育ち、1944年出征。フィリピン・ルソン島で敗戦、捕虜収容所をへて帰国。1949年、鹿児島県十島村に渡り、開拓農家の世話役、村会議員を歴任。2014年没。享年九二(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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