内容説明
団塊とは、実は“断解”であった。自身の変革を求め、何ものも信じないニヒリストたちが無頼派を気どっていた。あの時代をもう一度ふり返ってみたい。そこに、忘れかけていた「もうひとつの貌」が見つかる気がする…。
目次
1967昭和四十二年(上京の旅;昭和四十二年春 ほか)
1968昭和四十三年(はとバス;「新宿カツアゲ」 ほか)
1969昭和四十四年(骨のある男;哀愁JAZZ ほか)
1970昭和四十五年(赤旗の女;東京流れもの ほか)
1971昭和四十六年(笠井紀美子賛;ああ紅テント ほか)
著者等紹介
矢野寛治[ヤノカンジ]
1948年(昭和23年)、大分県中津市生まれ。成蹊大学経済学部卒。博報堂OB。元・福岡コピーライターズクラブ理事長。西日本新聞を中心にエッセイ、コラム、映画評、書評を執筆。著書『伊藤野枝と代準介』(弦書房、2014年度地方出版文化功労賞奨励賞)など。「日本文藝家協会」会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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古本虫がさまよう
2
九州出身。福沢諭吉ゆかりの地出身ということもあり慶應大学を目指したものの落ちて浪人しようと思っていたが、成蹊大学(経済学部)に合格し通うことになった。朝晩食事(二食)がついて月一万円。家は裕福ではないが1967年時点で月3万円の仕送りがあったというから恵まれているほうだろう。 下宿には大学の先輩が何人かいた。本が沢山あり、読書するのが学生の仕事と思われていた時代。本を読まなくちゃと奮起もしたそうな。授業はそこそこ、マージャンやジャズ喫茶やらにはせっせと通う。ノンポリ系団塊世代の「現代史」といったところ。2021/03/12