内容説明
天草島原一揆のあと、地域再生を成し遂げた稀有の幕府代官捨身懸命の生涯。原城で死んでいったキリシタンの供養、疲弊しきった村への移民の誘致、大胆な年貢減免、社寺の再興など特異な復興策とその思想の核心を鈴木神社宮司が浮き彫りにする。
目次
三河今昔
鈴木家の系譜をたどる
文明の衝突、日本の自画像
徳川の家臣・幕臣として
天草島原きりしたん一揆
特命代官、海を渡る
天草代官
絵踏み考
鈴木正三
復興する天草
著者等紹介
田口孝雄[タグチタカオ]
昭和17年、熊本県天草市に社家の長男として生まれる。國學院大學文学部卒。長崎県立佐世保南高校・熊本県立水産高校・同天草高校教諭(国語科)、天草文化協会第6代会長などを歴任。現在、鈴木神社第15代宮司。熊本県神社庁研修所講師。著書に『評伝 天草五十人衆』(共著、弦書房、熊日出版文化賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tulip
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世にあまり知られていない、天草島原一揆後の天草の復興に尽くした鈴木重成公について。三河に生まれ、徳川に仕えて島原の乱後に天草へ赴任。何と言っても敵味方関係なく宗教を越えてキリシタンも供養したこと、島民の年貢負担の軽減を嘆願したこと、もしくは年貢を半分しか徴収しなかったこと、はこの時代に心ある素晴らしいお代官さまだったのだと胸が熱くなる。その死については責任をとっての自刃だったのか、病死だったのか。著者撮影の表紙写真が美しい。それにしても読めない漢字が結構あり、手書きアプリで調べながらの読書となった。2020/03/04