出版社内容情報
私は、母と「誰かの精子」の間に生まれた――
不妊治療と生殖ビジネスの深い闇を、当事者が暴く。
人間の倫理を問う、出色の科学ノンフィクション。
オーストラリアの著名ジャーナリストである著者は、27歳のとき、自身がドナーによる精子提供で生まれたことを知り、生物学上の父親を探す調査を開始した。
いまやドナーによる懐胎(DC)は世間の認識以上に広く浸透しているが、その実情は世間の想像以上に異様で、多くの問題をはらんでいる。
DC児たちにドナーが誰かを知る権利は保証されていないため、持っているかもしれない遺伝性の疾患や、いるかもしれないきょうだいの存在、あるいはその数を知るすべはない。
本書は「第三者の生殖細胞から誕生した人間」について、また「人間を繁殖させること」について、DCの当事者が10年という歳月をかけて綴ったものである。
母の不妊治療医ヤン・カルバート自身が精子ドナーだと知り、
これまでに世界各地から75人の異母兄弟を見つけたジョーイ・ホフマンによる国連でのスピーチより:
「自分が大量生産された人間というモノのひとつに思えてきます。(中略)
どうかお願いです。これからは子どもたちの基本的な権利や利益を、優先リストの最下位に置くのではなく、最優先にするように努めてください」
内容説明
不妊治療と生殖ビジネスの深い闇を、当事者が暴く。人間の倫理を問う、出色の科学ノンフィクション。
目次
父だと思っていた人
私を失った私
人工授精の始まり
体外受精とビジネスの幕開け
失われた情報
法の不在
養子縁組制度とDC
声を上げるDC児たち
リスクとともに生きる
ずさんな医療記録〔ほか〕
著者等紹介
ディングル,サラ[ディングル,サラ] [Dingle,Sarah]
国営放送であるオーストラリア放送協会(ABC)の調査報道記者兼司会者。テレビ番組、ラジオ番組で時事問題を扱い、国内でその年の最も優れたジャーナリズムに贈られるウォークリー賞を2度受賞。その他にも、オーストラリア国連協会メディア平和賞、アムネスティメディア賞など受賞歴多数。本書が初めての著書である
渡邊真里[ワタナベマリ]
法政大学文学部卒業。ソフトウェア開発会社、翻訳会社に勤務後、独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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