内容説明
理性と霊性の創造性豊かな関係に焦点を当て、11世紀の初期スコラ学から15世紀のルネサンスに至る理性論の多様な形態を考察。形而上学と自然学、倫理学と政治思想への反映までも解明することを通して、理性と霊性の相互作用を中世思想の根源的な原動力として展開する。
目次
現代の中世観
第1部 教父思想(ラテン教父の思考様式と系譜)
第2部 初期スコラ学(信仰と理性―カンタベリーのアンセルムスにおける神認識の構造;初期スコラ学における「理性」の問題―諸類型と諸論争 ほか)
第3部 盛期スコラ学(人格の理性的自己形成―トマス#アクィナスの倫理学の存在論的・人間論的構造;否定神学・類比・弁証法―ディオニュシオス、トマス、クザーヌスにおける言語の限界と超越の言表可能性 ほか)
第4部 後期スコラ学(フライベルクのディートリヒの知性論;ジャン#ビュリダンの哲学における言語理論 ほか)
第5部 初期ルネサンス思想(神認識における否定と直視―クザーヌスにおける神の探求をめぐって;マルシリオ#フィチーノのプラトン主義と教父思想―キリスト教哲学の一展望)
著者等紹介
リーゼンフーバー,K.[リーゼンフーバー,K.][Riesenhuber,Klaus]
1938年フランクフルト(ドイツ)に生まれる。ミュンヘン大学卒、Dr.phil.、神学博士(上智大学)。1967年来日。1974‐2004年上智大学中世思想研究所所長、現在上智大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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