内容説明
世界の生成や消滅、自然の成り立ちについて、アリストテレスの四原因説をもとに、可能態と現実態、あること、アナロギアといったトマスの中核概念を用いて考察する。アリストテレスの経験主義的方法により、世界の現実性の究極的な原因である第一原因を探求する。第一原因は自然を越えつつ自然を根底から支え、自然的世界の外に位置するが、この存在論的地平の異なるものの関係を表現するアナロギアを分析し、第一原因を語る準備をする。
目次
第1章 可能態と現実態
第2章 三原理(形相・質料・欠如)
第3章 四原因(形相因・質料因・作出因・目的因)
第4章 四原因相互の関係
第5章 原因の種類とその区別
第6章 アナロギア:原理の一致と不一致
著者等紹介
長倉久子[ナガクラヒサコ]
1940年生まれ。京都大学文学部哲学科博士課程修了。南山大学教授。宗教学博士(ストラスブール大学)、神学博士(同)。2008年1月逝去
松村良祐[マツムラリョウスケ]
1981年生まれ。南山大学大学院博士後期課程在学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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