内容説明
バイオテクノロジーの発達によって生命現象が発明とみなされるようになり特許として権利化されたが、これは生命の「囲い込み」に他ならない。本書では、生命の囲い込みによる弊害、すなわち研究活動の阻害や途上国の医薬品価格への影響、遺伝子組み換え植物を販売する企業が農民に与える苦悩など、さまざまな問題を多くの事例で紹介する。それを通して、科学の発展のありかたと産学連携、オープンイノベーションを論じる。
目次
第1部 生命現象の特許化がもたらす問題とは(初の微生物特許チャクラバティ事件;患者細胞特許ムーア事件;カナバン病遺伝子特許事件;遺伝子組み換えマウス特許事件 ほか)
第2部 ライフサイエンス分野の特許権行使のありかた(リサーチツール特許とパテント・トロール活動;アッセイ方法特許ハウジー事件;核内因子NF‐κB特許アリアド事件 ほか)
第3部 科学の発展とオープンイノベーションへの道(パテントプール;産学連携のありかた;オープンイノベーションへの道 ほか)
著者等紹介
森岡一[モリオカハジム]
京都大学農学博士。1949年6月2日生まれ。1975年3月京都大学農学部農学専攻修士課程修了。1975年4月味の素株式会社中央研究所入所、微生物研究従事。1984年10月米国国立衛生研究所、基礎医学研究従事。1987年3月味の素株式会社中央研究所復職、医薬研究従事。1989年1月アメリカ味の素株式会社、医薬品開発従事。1995年7月味の素株式会社中央研究所研究企画部、研究開発管理従事。1999年4月味の素ファルマシューティカルUSA社、医薬品臨床開発従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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