自閉症とは何か

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  • サイズ B6判/ページ数 577p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784862481832
  • NDC分類 493.937
  • Cコード C0047

内容説明

本書は自閉症概念が生物学的、医学的あるいは心理学的概念であるよりは社会的範疇として把握されるべきであることを強調する。通説としての生物学主義的自閉症論にたいして徹底的批判を加える。いわば論争の書である。自閉症を論じながら、実は病気とは何か、障害とは何か、精神医学と責任論の関連について示唆し、さらには、精神医学とは何かという問題についても具体的に考察する途を提起する。待望久しい孤高の大著の復刊。

目次

第1部 一九六〇年代の自閉症論(疾病論批判;心因論批判;遊戯療法批判)
第2部 一九六〇年代から七〇年代へ(自閉症論転回のきざし)
第3部 一九七〇年代以降の自閉症論(言語・認知障害説批判;行動療法批判)
第4部 自閉症はどのように扱われてきたか(処遇論あるいは処遇批判論序説;初期の自閉症児の処遇;自閉症対策の成立と挫折;障害児処遇体系へのとりくみ)
第5部 自閉症とは何か(自閉症概念の社会的意味)

著者等紹介

小澤勲[オザワイサオ]
1938年神奈川県生まれ。京都大学医学部卒業。精神科医。京都府立洛南病院副院長、広島・老人保健施設「桃源の郷」施設長、種智院大学教授、同大学客員教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mogihideyuki

1
P402:フランス革命によって「二つの大きな神話が生まれた」。一つは「国家化された医業に関する神話」であって、医業は「聖職者が人々の霊魂に及ぼすのと同じような権力を、健康と肉体のレベルでさずけられている、とされる。…もう一つの神話は(革命が成功すれば)病気というものが完全に消滅し…社会はその根源的な健康に復元する、というものである」。だが、後者は夢想に終わった。かくして、「政治的革命がなし得なかった事業に信頼を与える魔術的儀式」としての医業に関する神話のみが社会的イメージとして定着をはかられるのである。2016/09/29

YASU

0
自閉症と呼ばれる人たちの指導員→支援員として,もう三十年近く仕事をしてきました.それこそ「親の育て方」説から応用行動分析・行動療法などが主流となった時代を経てきましたが,恥ずかしながら1980年代初めにすでにこのような,自閉症観を根底的に問いなおす書が世に出ていたことを今更に知りました.涙が出るほど「目からうろこ」でした.障害者支援に携わる若い方たちにぜひ読んでいただきたいです.アマゾンの古書で三万円以上もしますが,復刻版が出ているようですね.2019/02/02

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