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内容説明
アメリカじゅうのどこの食堂でも朝食のメニューの中身がほとんど同じなのはなぜか?アメリカ料理に季節感や地方色が希薄なのはなぜか?アメリカに醗酵食品が少ないのはなぜか?…移民国家として独自の文化を築き上げたアメリカ合衆国の食にまつわる数々の謎を、アメリカ文化に精通した著者が、みずからの旅を通じて一つひとつ紐解いていく。食の百科全書!
目次
第1部 アメリカ料理とは何なのか(なぜアメリカを代表する料理がないのか;インディアンの居住地がアメリカの地方食を作った;アメリカ食の誕生;アメリカを作った人びとの食)
第2部 画一性という食の魅力(逃げ水を追いながら、アメリカの朝食を考える;土地の広さが食を作る;なぜアメリカの食は画一的な側面を持っているのか;アメリカの食を特殊なものにしたいくつかの要素;アメリカ人は何のために食べるのか)
著者等紹介
東理夫[ヒガシミチオ]
1941年生まれ。作家・ブルーグラス奏者。学生時代からカントリー音楽のファンで、テネシー州名誉市民の称号を持つ。アメリカ文化への造詣が深く、ミステリーから音楽・料理まで幅広い知識を生かして様々な分野で執筆を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yyrn
26
建国以来、流入し続ける多様な移民たちが各国の「食」をアメリカに持込み、「文化的・社会的な境界線を越えて影響を与えあったという共通の経験を、食べ物は理屈抜きで記録する役割を果たした」ということを、全米各地に定着した様々な料理を紹介しながら、当地を訪れた時の思い出とともに教えてくれる本。北米大陸を縦横断するロードムービーとしても読める。また著者の食事に対する思いは熱く、おかげで730ページもあって読むのに1か月かかったが、そのウンチクの広さ・深さに敬意を覚える。一方で朝食は全米どこで食べても同じという不思議。2020/10/13
星落秋風五丈原
23
ボリューム多い。食について余すところなく語りたいという意欲は感じられる。2016/03/02
くさてる
20
700頁を越える厚さを存分に使いながらアメリカの食文化について深く探っていく。食文化は同時に人間の歴史でもあり、歌や生活そのものとも切り離せない関係にある。移民の国であるアメリカにとっての固有の食文化とはなにかというテーマと、著者自身の両親の背負ってきた歴史や人生の軌跡などが深く絡み合っていて、面白かった。食文化を学術的に解説するような内容ではなく、結論もどこかとりとめがないけれど、その曖昧な感じにより真実味を感じた。アメリカ、ブルース、移民、食文化というフレーズに興味があるひとにお薦めします。2015/11/25
kawa
11
729頁‼4日かけて読了…。長い(マンハッタンのデリのサンドイッチの薀蓄に14頁!)、だが、面白い。アメリカ地図をかたわらに置いての読みで、著者と一緒に旅している気分。アメリカのルーツミュージック好きなので、地理、歴史、文化、様々なことを知ることができラッキーでした。著者の探究心に感服です。2015/12/07
owl&shepherd
9
食べることに執着がない。料理に関心が薄い。そのくせ「アメリカ料理」は存在しないとバカにしている向きには、認識を改める良い機会。「食」から見たアメリカ史、アメリカ人のメンタリティは興味深い。ピューリタンに始まり、ドイツ、アイルランド…と、先行した移民は後発の移民を差別してきた。差別されてきた側はさらに後発の移民がくると差別する側にまわり、真の「アメリカ人」に出世するらしい。そんな「アメリカ人」であっても、読む前より「アメリカ人」が好きになった。では、この国で今もっとも差別されているのは誰? イスラム?2017/06/21