内容説明
明治期、急速な近代化を支えた原動力。共益貸本社・東京貸本社目録の分析から、当時の書生たちの読者傾向・外国文化受容の実態を解明する、国際日本文化研究センターによる総力研究。
目次
1 明治期「新式貸本屋」と読者たち―共益貸本社を中心に
2 共益貸本社目録(一八八八年版)をめぐって(和文書門;漢文書門;近世著訳書門;英書目録)
3 明治期における功利主義および進化論受容をめぐる考察と新式貸本屋目録
付 東京貸本社目録
4 共益貸本社目録(一八八八年版)再整備版
著者等紹介
浅岡邦雄[アサオカクニオ]
1947年生まれ。1971年立教大学文学部日本文学科卒業。現在、中京大学文学部准教授。専門は日本近代出版史
鈴木貞美[スズキサダミ]
1947年生まれ。1972年東京大学文学部仏文科卒業。1997年博士(学術)総合研究大学院大学。現在、国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rbyawa
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i096、タイトルの「新式」というのは江戸時代の家を回るシステムとの対比で店舗を構え、どうも図書館を補完し、学生客をメインとしていたらしく。明治の中期になるまでそもそも小説も数冊しかなかったのだとか…。時々図書館を「貸本屋」と揶揄する物言いがあるものの、貸本屋も変遷してたのか。そもそも明治初期の大ベストセラーもないしなぁ、…売れたから皆持ってるのね。娯楽本が少ないのも似た事情かな、明治10年代に入って江戸時代の復刻本が世に流行った頃には貸本屋も復刻本に参加しているとか、研究資料本だけどちょっと面白かった。2018/11/11