セックス・チェンジズ―トランスジェンダーの政治学

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  • サイズ B6判/ページ数 605p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861820472
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0010

内容説明

性転換、TS、TGとは何か?米国の最も過激な思想家カリフィアが、多くの当事者・関係者への調査・分析、そして自身の「性転換」の体験をもとに、20世紀におけるTGの歴史と現在、医療者との葛藤、フェミニストとの軋轢、TG内部の相克を描いたTG論の決定版。サンディ・ストーン、野宮亜紀論文を併載。

目次

セックス・チェンジズ―トランスジェンダーの政治学(パトリック・カリフィア)(スペア・チェンジズ―なぜ、そしてどのようにこの本が生まれ出たのか;トランスセクシュアルの自伝―第一の波;父親的存在―ジェンダー科学者たち;バックラッシュ―フェミニズムにおけるトランスフォビア;「ベルダーシュ戦争」とパッシング・ウーマンの愚行―ゲイ学識者のトランスフォビア;現代トランスセクシュアルの自伝 ほか)
帝国の逆襲―ポスト・トランスセクシュアル宣言(サンディ・ストーン)
日本における「性同一性障害」をめぐる動きとトランスジェンダーの当事者運動―Trans‐Net Japan(TSとTGを支える人々の会)の活動史から(野宮亜紀)
「セックス・チェンジズ」は性転換でも、性別適合でもない―解説にかえて(竹村和子)

著者等紹介

カリフィア,パトリック[カリフィア,パトリック][Califia,Patrick]
トランスジェンダー・アクティヴィスト、理論家、レズビアンSM作家。かつては、自らを「サディスト」「レズビアン」「フェミニスト」であると述べていた。『セックス・チェンジズ』第一版(1997年)を執筆した時点では、パット(Pat)・カリフィアの名前でレズビアンの立場を取っていたが、性適合手術を受け、第二版(2003年)では、パトリック・カリフィアと著者名を変え、FTMトランスセクシュアルの立場を取るにいたっている

ストーン,サンディ[ストーン,サンディ][Stone,Sandy]
テキサス州立大学オースティン校先端コミュニケーション技術ラボラトリーの創設ディレクターにして、同校助教授であり、バンフ・センター・フォー・ジ・アーツのシニア・アーティスト、およびカリフォルニア州立大学アーヴァイン校人文リサーチ・インスティチュートのフェロー。映像作家、ロックンロールの音楽エンジニア、神経学学者、社会学者、サイエンス・フィクション作家、パフォーマー

竹村和子[タケムラカズコ]
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科教授。専攻は英語圏文学・批評理論

野宮亜紀[ノミヤアキ]
トランスジェンダー/トランスセクシュアル/性同一性障害の自助・支援グループ「Trans‐Net Japan:TSとTGを支える人々の会」運営メンバー。和光大学非常勤講師

石倉由[イシクラユウ]
小説・評論執筆、翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takizawa

8
FTMの側面を持つ著者による,トランスジェンダーに関する包括的・網羅的な考察。トランスジェンダーがいかに誤解を受けやすい存在であるか,過去にどのように不当な扱いを受けてきたかがよく分かる本。しかもその最たるものが,同じ性的マイノリティであるLGによってなされている,というのが衝撃(LGの中にあるトランスフォビア)。TSをパートナーに持つ人々を性的マイノリティの一種として括り可視化していくのは(今まであまり意識したことがなかったが)良い試みだと思う。2012/05/06

なめこ

4
とてもパワフルな論考。トランスジェンダー(トランスセクシュアル、トランスヴェスタイトなどを含む)についてここまで網羅的に、かつ緻密に取り上げられた文章を不勉強ゆえに今まで読んだことがなかったので、世界を塗り替えられるような鮮やかな衝撃があった。この本を読んで、トランスとは一方の性別から一方の性別へ完全に移行することだという性別二元論に強く影響された偏ったイメージを、自分自身が内面化していることに気付かされた。今後も考え続けたいもんだい系のひとつとして忘れないようにしたい。2016/08/27

たろーたん

2
竹村和子の解説が良かった。トランスジェンダーは「完全に正常な身体」の幻想性を浮き彫りにする。竹村氏は「全ての人はトランスセクシュアル」と主張していた。例えば、異性愛のSM愛好者男性の場合を考えてほしい。SM行為で性器が使われていても、それは男性でその性器が生物学的に完全なものだからではなく、そこに男性性の文化的幻想が刻まれているからだろう。自分なりに噛み砕くと、男だからペニスを責められるのではなく、自身のペニスに文化的なマッチョさや男らしさが帯びており、彼はSM行為を通して、(続)2023/08/04

更新停止中

0
これで殴られたら死にそうに厚い本。読んでみれば殴られ続けて死ぬのではないかというほど熱い本。セクシャル・マイノリティ『ではない』と自認している人、トランスジェンダーについて『偏見を持っていない』と自認している人、そういう我々こそが読まねばならない。2009/08/15

Muga

0
第8章から。トランスジェンダーとトランスセクシャルの軋轢。強烈な身体違和を持つGIDがトランスフォビアと攻撃される。別の性別を表現することは共通していても動機はかなり幅が広い。強烈な身体への違和感がある人からフェティシズム的な人まで(フェティシズムが悪いわけではないが)。 なので内部当事者の間にも喧々諤々ある。咳や熱という症状は同じでも原因が違うというのに似ている。あるいは抑鬱状態は同じでも背後にあるものが違うとか。2023/02/17

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