内容説明
「共感」と「感応」の水脈を掘り起こしながら“哲学的人間学”を探索する。哲学・倫理学・実験心理学・表象文化論・国文学・美術史・宗教思想史・社会学など、多岐にわたる学問分野の共同研究から「人間学」の再活性化を目指す。
目次
1 共感する心(共感のクオリア―形而上学の通路としての;共感の進化―「心の理論」はなぜあるか?;想像力と共通感覚―カント哲学のコンテクスト;共有知としての「良心」についての一考察―「良心」は誰のものか?)
2 感応する身体(微笑と感応―ルネサンス期の絵画における微笑みの誕生と主観性の原理;文学と手紙―感応の遊戯;幽霊の表象に見る近世の身体観;曽我教学に於ける感応道交について)
3 共鳴する空間、融合する地平(静物画としての自画像、あるいは自画像としての静物画;至福直観と享受―西洋中世における享受の問題;光輝く者との交感―ヒルデガルト・フォン・ビンゲンのヴィジョン;「共感」と社会秩序―スミスの「同感」、ヴェーバーの「諒解」)
4 表現学への回廊(文化風土と絵画表現―文化比較の視点から;デューラーとブリューゲルの空間描写の違い)
著者等紹介
栗原隆[クリハラタカシ]
1951年、新潟県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程前期課程修了。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。学術博士。神戸大学助手などを経て、現在、新潟大学人文学部教授。(近世哲学、倫理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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